2012年の中島みゆきのアルバム曲『常夜灯』
この曲は、中島みゆきが仕事の帰り道によく見かけていた猫の視点を借りて描かれている。
その猫にまつわる実話と重ねてこの曲を聴くと、また違った味わいが生まれる。
この記事は、
- 『常夜灯』はジャズミュージシャンの猫の視点から描かれた世界
- 『常夜灯』の猫と飼い主の実話
について書いてます!
中島みゆき『常夜灯』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
ジャズミュージシャンの猫の視点から描かれた曲
次の夜明けに帰って来るわ きっとあの人は
だからここで待っているのよ あたし泣かないわ
（『常夜灯』より）
男に愛想を尽かされた女の歌なのか。
それとも、ずっと抱いていた想いをこれから成就させようとする女の歌か。
様々なシチュエーションが想定されそうな曲だ。
2016年の『中島みゆき・21世紀ベストセレクション『前途』』のライナーノーツで、中島みゆきはこの曲に言及している。
実は、この曲は、中島みゆきが帰り道によく目にしていた三毛猫の視点で描かれていたのだった。
ジャズミュージシャンの家で飼われていたその猫は、いつも飼い主の帰りを門灯の前で待っていたという。
つまり、この曲に描かれている「あたし」とはこの三毛猫のことで、「あの人」とは飼い主のことなのだ。
猫と飼い主の実話
中島みゆきが帰り道に目にしていた光景は、三毛猫がいつも門灯の前にいることと、その門灯がいつも点いていたこと。
これには理由があった。
2011年10月30日放送の「おとなの駄菓子屋」（MBSラジオ）にゲスト出演した中島みゆきは、この猫の飼い主と思しき人物について語っている。
仕事での接点はなかったものの、ジャズミュージシャンであるその飼い主について中島みゆきはいくらか知っていた。
クラブで演奏していたのか、深夜の2時か3時かくらいに帰宅しているようで、それを毎晩猫たちが出迎えていたのだった。
だが、ある時、門灯がずっと点けっぱなしになっていることに中島みゆきは気付く。
そして、後に、その飼い主が心臓発作で亡くなったことを知るのだった。
猫は、そのことを知らず、毎晩、飼い主の帰りを待ち続けた。
そして、そのうち猫も、自らの一生を遂げるのだった。
この実話を聞けば、この曲もまた違った味わい方ができるだろう。
常夜灯が点（つ）いているから あたし泣かないわ
常夜灯が点（つ）いているから あたし泣かないわ
もう二度とあの人が通って来ない曲がり角を
ひとりきり帰るけど
（『常夜灯』より）
『常夜灯』はこんな曲
男の帰りを待ち続けている。
男が消し忘れていった常夜灯の明かりを形見のようにして慰めながら。
月が何回丸くても 月が何回壊れても
花が咲いても 雪が積んでも
見てるのは あの曲がり角だけよ
（『常夜灯』より）
『常夜灯』のみんなの感想
ねこちぐら、ペルシャ、常夜灯
中島みゆきさんの猫が主人公の曲は歌詞が泣ける。
— ゆうき@まどかちゃんからもらい泣き（さえぴな⭐︎めるまど☆窈迷） (@M_SaePina_Y_313) December 27, 2021
中島みゆきさんの曲は沢山は知らないけどこの曲が禿げるほど好き
ご近所にお住いのミュージシャンの方が急逝され、帰らぬご主人を家の前でずっと待ってた飼い猫を見て書いた歌詞だというのがエモエモのエモすぎてわたしはしんでしまう
常夜灯/中島みゆき https://t.co/0CTMgfJB5Y— のざわ🍠🎃🌾 (@tech030) July 25, 2020
先にライナーノーツを読んでしまったので、中島みゆきさんの「常夜灯」を聴くと泣きそうになる。（亡くなった飼い主を待ってる三毛猫の歌）
— 沖田小夜 (@sayo_o14) March 24, 2017
本人映像
『中島みゆき「縁会」2012〜3』
2012～2013年に行われたコンサートツアー「縁会2012～3」のライブDVD/Blu-ray。
『常夜灯』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『常夜灯』
2012年リリースのオリジナルアルバム。
- 日本テレビ系ドラマ「東京全力少女」の主題歌『恩知らず』
- 東北の応援歌といわれる『倒木の敗者復活戦』
- 舞台劇「真田十勇士」の主題歌『月はそこにいる』
を含む全12曲。
【収録曲】
『常夜灯』『ピアニシモ』『恩知らず』『リラの花咲く頃』『倒木の敗者復活戦』『あなた恋していないでしょ』『ベッドルーム』『スクランブル交差点の渡り方』『オリエンタル・ヴォイス』『ランナーズ・ハイ』『風の笛』『月はそこにいる』
『中島みゆき・21世紀ベストセレクション『前途』』
2016年リリースのベストアルバム。
2000年以降の曲からセレクトされた珠玉の全12曲。
【収録曲】
『銀の龍の背に乗って』『地上の星』『泣いてもいいんだよ』『常夜灯』『Nobody Is Right』『宙船 (そらふね)』『倒木の敗者復活戦』『Why & No』『India Goose』『産声』『麦の唄』『ヘッドライト・テールライト』
⇒『中島みゆき・21世紀ベストセレクション『前途』』の解説＆みんなの感想
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