1990年の中島みゆきのアルバム曲『夜を往け』
アルバムのタイトルにもなったこの曲は、MVが制作された。
著書「ジャパニーズ・スマイル」には、その撮影の舞台裏が描かれている。
どんな撮影現場だったのか、みていこう。
この記事は、
- 中島みゆきが『夜を往け』に込めた思い
- 『夜を往け』のMV撮影の苦労
- サスペンスドラマ主題歌に起用された『夜を往け』
について書いてます!
中島みゆき『夜を往け』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
『夜を往け』に込めた思い
1990年「FM STATION」でのインタビューの中で『夜を往け』に込めた思いについて語っている。
「私はこっから先、何曲かずっと歌うけど、あんたはどーしてんの、という問いかけの歌ですよね」
歌う側と聴く側で、ときどき納得したり、意見が相違したり、そんな並行した状態が中島みゆきにとっての理想だという。
親指を立てながら待ちわびるだけだった昨日
憐みのドアが開く車を見送って
ナイトニュースを聴くだけの昨日を捨てて
(『夜を往け』より)
MV撮影の裏話
中島みゆきの著書「ジャパニーズ・スマイル」(新潮文庫)には、『夜を往け』のMV撮影の舞台裏が描かれている。
手間暇かけた撮影
周りのススメでこの曲のMVを撮影することになったのだが、ずいぶんと手間と費用がかかったという。
飛行機代、人件費、始末書etc.
手間がかかっていないのは衣装代。
とはいえ、それですら数十万円もかかっているのだ。
撮影は田村仁
『夜を往け』のMVプロデューサーは、中島みゆきのCDジャケットを撮影している田村仁。
通常のMVには35mmフィルムが用いられるが、こちらは8mmであえてラフな感じを演出している。
夜道を青年2人を乗せたオートバイが走りゆくシーンと、鉄網のフェンス越しに歌う中島みゆきを交互に映していく内容だ。
初のリップシンク
撮影には、中島みゆきにとって初のリップシンクで臨んだ。
リップシンクとは、曲に合わせて口を動かし、あたかも歌っているように見せかける、いわゆる口パクだ。
このリップシンクは、中島みゆきにとって苦行だったようだ。
どのカメラに? 立ち位置はどこ? どういう目線で?
フリを意識すれば歌詞が頭から吹っ飛び、歌詞を意識すれば、思いがけない方へ歩いてしまい、やがて画面からフレームアウトしてしまう。
そんな失敗をいくども重ね、MVは完成した。
タイアップドラマ
「結城昌治サスペンス」「現代推理サスペンス」
フジテレビ系サスペンスドラマの主題歌に起用された。
『夜を往け』はこんな曲
待つだけの日常から、自ら取りに行く人生へと大きく舵を切っていく曲。
ロックなサウンドが、勇気を奮い立たせてくれるようだ。
追いつけないスピードで走り去るワゴンの窓に
憧れもチャンスも載っていたような気がした
あれ以来眠れない 何かに急かされて
走らずにいられない 行方も知れず
夜を往け 夜を往け 夜を往け 夜を往け
(『夜を往け』より)
『夜を往け』のみんなの感想
昨夜からずっと、中島みゆきの「夜を往け」を聴いてる。情念のボーカルに耳を奪われがちだが、バンドサウンドやアレンジメントも実に素晴らしい名作や思います。
— ホロウ・シカエルボク (@shikaeruboku) July 21, 2020
中島みゆき『夜を往け』。
久しぶりに聴いた。ひたすら突き進んでいた当時の自分を思い出す。
— soumen (@soumenbuncho) April 22, 2020
「夜を往け」がほんと名曲”追いつけないスピードで走り去るワゴンの窓に 憧れもチャンスも載っていたような気がした あれ以来眠れない”で始まっといて一気に疾走感ある曲になるの最高でしょ。 / “中島みゆき『ファイト!』の歌詞を知り慄く人たち – Togetter” https://t.co/EtOgbGcsjU
— Kousyou (@kousyou) March 14, 2020
本人映像
『THE FILM of Nakajima Miyuki』
2000年リリースのPV集DVD。
【収録曲】
『トーキョー迷子』『夜を往け』『見返り美人』『黄砂に吹かれて』『おだやかな時代』『浅い眠り』『空と君のあいだに』『旅人のうた(2nd Version)』『たかが愛』『二隻の舟』『竹の歌』
⇒『THE FILM of Nakajima Miyuki』の解説&みんなの感想
『夜を往け』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『夜を往け』
1990年リリースのオリジナルアルバム。
- KDD「001」CMソング『あした』
- 山田洋次監督映画「息子」のイメージソング『with』
を含む全10曲。
【収録曲】
『夜を往け』『ふたつの炎』『3分後に捨ててもいい』『あした』『新曽根崎心中』『君の昔を』『遠雷』『ふたりは』『北の国の習い』『with』
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