1980年の中島みゆきのアルバム曲『キツネ狩りの歌』
童話から飛び出してきたような世界観のこの曲だが、レコーディングの時に、編曲を担当した後藤次利とユニークなやり取りがあった。
その内容から、この曲が歌われた「夜会」のシーンや大竹しのぶによるカバーまで、色々みていこう。
この記事は、
- 『キツネ狩りの歌』の世界観を巡って後藤次利とのやり取り
- 『キツネ狩りの歌』が歌われた「夜会」のシーン
について書いてます!
中島みゆき『キツネ狩りの歌』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 後藤次利
『キツネ狩りの歌』は西洋貴族の世界観
1980年9月10日放送の「サウンドストリート」（NHK FM）に中島みゆきがゲスト出演。
甲斐よしひろとの対談の中で、『キツネ狩りの歌』のレコーディングで、後藤次利とやり取りしたことを振り返っている。
後藤は、レコーディングに先だって、中島みゆきからこの曲のデモテープをもらっていた。
「イギリスの方のキツネでいいんですよね?」
後藤が、中島みゆきにこう念を押したのは、このデモテープからどう肉付けしていくかアレンジの点でわずかな迷いが生じていたからだ。
もしかしたら、この歌に描かれている狩りは、火縄銃と日本犬、ほっかむり姿の純和風スタイルなのかもしれないと思ったのである。
この件を、中島みゆきは以下のように振り返っている。
「あたしも一瞬迷ったね。もし、そこでさ、種子島銃持ってね、熊のちゃんちゃんこ着て、ほっかむりしたキツネがいいですって言ったら、どういうイメージになったんだろうかって……」
甲斐との対談によると、この曲で中島みゆきがイメージしていたのは、西洋貴族や貴族的狩猟の世界観なのだという。
中村中が選んだ1曲
2020年7月18日放送の「輝き続ける中島みゆき」（BSフジ）で、中村中が「厳選5曲プレイリスト」の1曲に、『キツネ狩りの歌』を挙げている。
中村中が初めてこの曲を聴いたのは、中学生の頃。
当時は、キツネ狩りをする側が、キツネに化かされているという内容に怖さを感じていた。
最近では、SNSで炎上記事ばかりを探している自分を、この曲に重ねているという。
キツネ狩りにゆくなら 気をつけておゆきよ
ねえ グラスあげているのがキツネだったりするから ねえ
（『キツネ狩りの歌』より）
『キツネ狩りの歌』はこんな曲
歌詞からメロディ、サウンドまで、西洋の童話を読んでるようなユニークな世界観が描かれている。
だが、少しドキッとするような凶暴さも備えている。
キツネ狩りにゆくなら 気つけておゆきよ
ねぇ キツネ狩りは素敵さ ただ生きて戻れたら
ねぇ 空は晴れた 風はおあつらえ
あとは きみの その腕しだい
（『キツネ狩りの歌』より）
『キツネ狩りの歌』のみんなの感想
#中島みゆき誕生祭 おめでとうございます🎊世に生まれて下さりありがとうございます。4歳頃に初めて覚えた歌が
「キツネ狩りの歌」でした。
君と駆けた君の仲間が
君の弓で倒れてたりするから〜♪
と無邪気に歌っていた頃が懐かしい🦊— りんたろう@俳優 (@rintaro_stage) February 23, 2022
歌詞の世界という意味では
｢キツネ狩りの歌｣
が面白いです。#ごごカフェ— Yellow Face 🍎🐨🦘🦎🐬🦜🦇 (@mt_hopeless) October 8, 2021
中島みゆきの｢キツネ狩りの歌｣を肝に銘じて仕事してる。
語彙と表現、歌詞の持つ力、中島みゆきの歌詞は毎回凄まじい衝撃をくれる。何かに成功して浮かれてる隙に周りに寝首かかれない様に冷静でいよう。
｢仲間を信じるな｣じゃなく｢自分の力に溺れてるその隙を狙う人もいるから気をつけろ｣だな。— 🪓リュカ🔪 (@ryuka0203ryuka) June 18, 2021
カバーしたアーティスト
大竹しのぶ
2014年のカバーアルバム『歌心 恋心』に収録。
好きな歌と好きな人をテーマに、様々な男性アーティストと昭和歌謡をデュエット。
大竹しのぶのお気に入りの曲『キツネ狩りの歌』を斉藤和義とのタッグで歌い上げている。
本人映像
『夜会VOL.3 KAN（邯鄲）TAN』
1991年上演。中国の故事「邯鄲の夢」をモチーフに、クリスマスの夜に見た夢の中で、真実の愛に気づいていく女の姿が描かれている。
幼い子から老婆までを中島みゆき1人が演じている。
少女に扮した中島みゆきが、ウサギたちと戯れながら歌う『キツネ狩りの歌』。
「不思議の国のアリス」のような世界を彩っている。
『キツネ狩りの歌』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『生きていてもいいですか』
1980年リリースのオリジナルアルバム。
- 伝説の最恐ソング『うらみ・ます』
- 写真家の田村仁がモデルになった『蕎麦屋』
- 中島みゆきが出会った娼婦がモデルになった『エレーン』
を含む全8曲。
【収録曲】
『うらみ・ます』『泣きたい夜に』『キツネ狩りの歌』『蕎麦屋』『船を出すのなら九月』『（無題）』『エレーン』『異国』
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