1977年のアルバム曲『まつりばやし』
中島みゆきが父親の死をモチーフにして作った曲だ。
この曲については、「1978年・秋のツアー」の中で思い出が語られている。
歌詞に登場する「赤い花」は、中島みゆきの故郷でみられる風物詩で、中島みゆきにとっては父親を想起させるものだった。
詳しくみていこう。
この記事は、
- 中島みゆきの父親の死をモチーフにした『まつりばやし』
- 『まつりばやし』の歌詞「赤い花」が意味するもの
について書いてます!
中島みゆき『まつりばやし』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 福井峻
父親の死がモチーフ
中島みゆきの父親の死
『まつりばやし』は、中島みゆきの父親の死がモチーフとなった曲だ。
父親は、中島みゆきが『アザミ嬢のララバイ』でレコードデビューするわずか1週間前に脳溢血で倒れ、昏睡状態のまま3カ月半後に息を引き取った。
「もう2年も経つのにね、何もかもまだ夢みたいな気がするの。もう1回眠って目を覚ませば、まだあの前の晩にいるようなね、誰も減ってなくて何にも変わってなくて、みんなそこにいるような気がするの」
「1978年・秋のツアー」の中で、中島みゆきは『まつりばやし』の間奏中に父親の最期について語っている。
「もう3日待って目が覚めなければ諦めて欲しい」
昏睡状態の父親について医師からそう告げられた頃、病院の外ではまつりばやしが見えていたという。
ねむり始めたお前の窓の外
まつりばやしは静かにあでやかに通り過ぎる
(『まつりばやし』より)
中島みゆきが父親の死をモチーフにして書いたもう1つの曲に、『雪』がある。
「赤い花」は飾り花
中島みゆきの住んでいた町では、祭りの間、各家の軒先に紙で作った赤い花を飾る風習があった。
北海道の夏は短く、秋の祭りがくる頃には冷たい風が吹く。
朝に、その赤い花に露がついていることがよくあった。
その年も、いつものように祭りを迎えようとしていたところに、母親の悲鳴。
父親が脳溢血で倒れたのだ。
何日もかけて仕度していた祭りの飾りが、軒先で虚しく揺れていたことが想像つく。
中島みゆきにとって、秋の旅先で見る光景はツラいものがある。
どこへ行っても祭りがあって、思い出してしまうからだ。
「どうしてあんなに似てんのか分かんないんだけど、どこ行っても古臭い似たような代り映えのしない音。そういうとこには、昔からちっとも変わらないみたいに浴衣を着た子供たちがはしゃいで走ってく。でも、その子たちには、みんな親がいるの。そういうのばっかみえるから……」
そう言って、曲の続きを涙で声を詰まらせながら歌った。
眠り続けるお前よ私の所へは
まつりばやしは二度とは来ないような気がするよ
もう赤い花がゆれても
(『まつりばやし』より)
タイアップCM
北海道拓殖銀行「スーパーMMC」
1992年に放送された吉岡秀隆出演のテレビCMソング。
誰かからの手紙を読みながら遠く思いを馳せる吉岡にカメラが寄っていく、セリフ一切なしの演技。
浴衣姿で踊る女性たちの映像をオーバーラップさせ、「心はどこに閉まってありますか?」というナレーションが締めに入る。
『まつりばやし』はこんな曲
毎年やってくるまつりばやしは、大事な人の不在を否応なしに突き付けてくる。
あの人といっしょに見たまつりばやし。
あの人と見られなくなったまつりばやし。
人はだれでもまつりの終わりを知る
まつりばやしに入れなくなる時を知る
眠り続けるお前よ私の所へは
まつりばやしは二度とは来ないような気がするよ
もう赤い花がゆれても
(『まつりばやし』より)
『まつりばやし』のみんなの感想
しんどいことがあったり、ヘトヘトに疲れたりすると、中島みゆきさんの「まつりばやし」が聴きたくなります。たぶん暗い曲なんで変だな~とは思うんですがめちゃくちゃ癒されます。あのシャンシャンって音がいいのかな。逆効果になる人もいそう。
— さとづる (@ouomi_k) August 27, 2021
中島みゆきの「まつりばやし」が聴きたくなってきた。
祭りの歌なのに不穏で暗い悲しい歌なんだよな。人は誰でもまつりの終わりを知る
まつりばやしに入れなくなる時を知る— 21世紀の里緒 (@SasakiRiochan) August 10, 2021
ある日偶然聴いたラジオ番組「中島みゆきの世界」から
「まつりばやし」が流れてきたあの夜、心が震えた。
— ケロモル (@keromoru) July 4, 2020
本人映像
『夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に』
1993年上演。雨月物語「浅茅が宿」がモチーフの作品。
季節ごとに、それぞれ4人の「待つ女」を中島みゆき1人が演じている。
⇒『夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に』の解説&みんなの感想
『まつりばやし』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『あ・り・が・と・う』
1977年リリースのオリジナルアルバム。
- 亡き父親がモチーフになった『まつりばやし』
- 吉行淳之介との対談から生まれた『女なんてものに』
- 名曲『ホームにて』
を含む全9曲。
【収録曲】
『遍路』『店の名はライフ』『まつりばやし』『女なんてものに』『朝焼け』『ホームにて』『勝手にしやがれ』『サーチライト』『時は流れて』
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