2002年の中島みゆきのオリジナルアルバム『おとぎばなし-Fairy Ring-』
大人のためのおとぎばなしをコンセプトに制作されたアルバムだ。
ずいぶん昔に他アーティストへ提供した曲や、デビュー当時の曲をセルフリメイクするなど、懐かしい雰囲気も漂う1枚。
1曲ずつみていこう。
この記事は、
- 『おとぎばなし-Fairy Ring-』の特徴
- 『おとぎばなし-Fairy Ring-』の曲解説&みんなの感想
について書いてます!
中島みゆき『おとぎばなし-Fairy Ring-』
2002年リリースのオリジナルアルバム。
- 薬師丸ひろ子へ提供した『おとぎばなし』
- 工藤静香へ提供した『雪・月・花』
- 高倉健&裕木奈江に提供した『あの人に似ている』
- 研ナオコに提供した『みにくいあひるの子』
- 三田寛子に提供した『愛される花 愛されぬ花』
を含む全11曲。
【収録曲】
『陽紡ぎ唄』『シャングリラ』『おとぎばなし』『雪・月・花』『匂いガラス~安寿子の靴』『あの人に似ている』『みにくいあひるの子』『愛される花 愛されぬ花』『裸爪(はだし)のライオン』『紫の桜』『海よ』
『おとぎばなし-Fairy Ring-』の特徴
週間オリコンチャート5位
『おとぎばなし-Fairy Ring-』は、2002年10月23日にリリースされ、週間オリコンチャート5位を記録している。
『地上の星』が影響 ?
2002年「Weeklyぴあ」のインタビューで、このアルバムを制作した理由が語られている。
「毎日働いている大人の人たちに寝る前におとぎばなしをひとつ。疲れている大人の人たちにゆっくり休んで、また明日から働いてきてね、っていうアルバムを作ろうかなと」
また、このアルバムは、『地上の星』も少なからず影響しているという。
この曲が、「プロジェクトX~挑戦者たち~」(NHK)を通して、大人の視聴者たちに届いていたことが、中島みゆきの中で強く意識された。
「あの番組のおかげで大人の方たちが聴いてくれるのが見えたというところがありましたから。見えた人に贈ろうという思いはありましたね」
「Fairy Ring」の意味
当初、中島みゆきは、アルバムのタイトルを「Fairy Ring」とする予定だった。
「Fairy Ring」とは、「草原に円を描いて残る焼けた跡」という意味。
何らかの原因で輪状に色濃く茂ったり枯れたりした草の跡に、キノコが生える現象を指す。
科学的に未解明なことが多く、西洋では、妖精が輪をなして踊った跡だという言い伝えがある。
だが、日本では、この「Fairy Ring」が馴染みのない言葉であるため、中島みゆきが個人的に思うこれと似た日本語「おとぎばなし」をメインタイトルにし、「Fairy Ring」はサブタイトルに据えた。
選曲の基準
2002年「Weeklyぴあ」10月7日号のインタビューで、収録曲をどのようにして選んだかが語られている。
「誰かが歌った歌でも、自分で発表した、「夜会」で使ったような歌でも、とにかくおとぎ話という気配のものをね」
「大人のおとぎ話」をコンセプトに集められた11曲。
その顔ぶれは、かつて他のアーティストへ提供した曲、デビューアルバムで発表した曲のセルフリメイク、そして、「夜会」のために作られた曲など、バラエティに富んでいる。
「現実の生活よりも想像の世界に行けるような曲を集めてここに収めました」
動物や花、海。
人間臭いところから遠く離れた世界が描かれている曲が多い。
『おとぎばなし-Fairy Ring-』曲解説&みんなの感想
『陽紡ぎ唄』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
2000年上演の「夜会VOL.11 ウィンター・ガーデン」のために書き下ろされた曲。
木の葉や雨粒が、陽ざしを受けて輝く。
まるで小人が光の上着を紡いで着せているという、おとぎばなしチックな視点を与えている。
陽なたの綿毛と 月夜の綿毛を
両手で抱えて小人たちが紡ぐよ
木の葉の迷子に 雨粒の迷子に
小さな上着を作って着せるよ
(『陽紡ぎ唄』より)
中島みゆきのアルバムは好きなのたくさんあるけど、おとぎばなし-Fairy Ring-がいちばん好き
全曲好きとかじゃなくて、陽紡ぎ唄から始まるあのアルバムの雰囲気が好き— 碧(あお)✡️ (@kobaltblaue) October 25, 2015
私的 曲名が覚えられないシリーズ「陽紡ぎ唄」
妖精のうたとか小人のうたとか、きっと最初にそんな感じインプットされてしまったのだと推測する。
こんなの いっくらでもあります— Adelie (@pentalou) March 1, 2018
『シャングリラ』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
1994年上演の「夜会VOL.6 シャングリラ」のために書き下ろされた曲。
中国の伝統楽器である胡弓が伴奏に用いられていて、東洋の雰囲気を醸し出している。
シャングリラから シャングリラから
いつか迎えの馬車が来る
シャングリラには シャングリラには
幸せ者が辿り着く
(『シャングリラ』より)
僕なんて中二病が解けずにこの年まで来てるので、
中島みゆきさんのシャングリラの歌詞の世界観とかもろに今でもよりどころにしてるかんね— twac1106(ポエム垢) (@twac1106) May 16, 2021
シャングリラ – 中島みゆき #nowlistening on NW-S739F この曲好きだな。聴きながら少し休もう。
— 早乙女乱子@サンライトホワイトGR3ホーム (@fitrs1500ima) January 5, 2012
『おとぎばなし』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
1988年に薬師丸ひろ子に提供された曲のセルフカバー。
自分の小指から運命の相手の小指へと繋がっているとされる赤い糸。
もしも、その糸が想う人へと繋がっていないなら、いっそ切れてしまえばいいと抗いを示している。
かなうか かなわないか 確かめて
恋を始めるわけでは ないものね
おとぎばなしを聞かせてよ
恋はかなうと聞かせてよ
(『おとぎばなし』より)
やっぱり中島みゆきの曲だったか!この強烈な歌詞はみゆきさんならではだな。 #Nowplaying おとぎばなし from “SINCERELY YOURS” (薬師丸ひろ子) http://t.co/aa7W2quBQw
— みゅー (@deepsnow374) July 19, 2013
おとぎ話の中に住むことができるとしたら、どのお話にしますか? — 中島みゆきさんのおとぎばなしの世界にもう住んでいます。 http://t.co/BvTzP57BiK
— Satoshi@FFRKはゆたろうかも知れない (@satomurak1101) September 20, 2014
『雪・月・花』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
1998年に工藤静香に提供された曲のセルフカバー。
「雪月花」とは、四季それぞれの美しさを代表する自然を指す。
自然が時間の経過に伴って変化していくのに対し、恋心はひたすらその場にとどまって、募らせていくばかりなのだ。
あなたなしで生きる未来の
淋しさから自由にしてよ
なんにもわかっていない人ね
雪・月・花 移ろわないのが恋心
雪・月・花 ひたすらつのるばかり Ah…
(『雪・月・花』より)
工藤静香の雪月花という曲がとても好き。
共感がハンパない。
そして女心を描く中島みゆきすごい。— くみち (@kumi_chi) June 3, 2021
雪・月・花/#工藤静香
最高23位/売上9万
作詩/作曲/#中島みゆき
情愛を感じさせる歌詞に曲を静香がしっかりと表現した曲。
もう少し売り上げがあってもおかしくない名曲です。— ゆう(音楽全般・スポーツ) (@ayuayu1987) May 30, 2021
『匂いガラス~安寿子の靴』
作詞 唐十郎
作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
作曲のみを中島みゆきが手掛けている異色の作品。
唐十郎が手掛けた1984年のドラマ「安寿子の靴」(NHK)と1986年のドラマ「匂いガラス」(NHK)の主題歌として、作られた曲。
オンエアで流れたものはCD化されておらず、今回、瀬尾一三のアレンジによって初めて収録された。
お話ししましょう
誰かがなくし 誰かが拾った
甘くて酸っぱい
リンゴのような
匂いガラスの さわりをね
(『匂いガラス』より)
でもでもと 水に落ちた思い出拾い
流れのおきてにはむかう子だって
波はきっと好きだというよ
(『安寿子の靴』より)
あんまりTVドラマは見ないので、鈴木保奈美さんがお芝居をやっているのをほとんど見たことがない。
1本だけ記憶に残っているのが、NHKの唐十郎のドラマ『匂いガラス』の主人公の友人役。あのころなぜか唐演出・中島みゆき主題歌のドラマを毎年連続でつくっていたが、この作品が一番出来がよかった。— 広岡 祐 (@yu_speedbird) July 18, 2021
唐十郎作「安寿子の靴」。もう一度観たいなあ。たぶんいちばん好きなドラマ。安寿と厨子王をモチーフとした、少年と家出した少女の交流を描いたもの。唐の長男の大鶴義丹が主演でデビュー作かな。ラストシーンで、またバラバラに生きていくことになる二人。そこで流れる中島みゆきの主題歌がまた(>_<)
— 高橋徹 (@takahashi0168) November 14, 2017
『あの人に似ている』
作詞・作曲 中島みゆき さだまさし
編曲 瀬尾一三
1994年に高倉健&裕木奈江に提供した曲を、さだまさしとのデュエットでセルフカバー。
さだまさしの提案により、男側と女側の視点から、それぞれ独立した曲を同時に歌い、ミックスさせるという斬新な手法が用いられた。
昔、苦い恋を経験した男と女。
忘れられない人と似た人間が目の前に現れ、心が揺れ動いている。
あの人に似ている 明るく振る舞う処も
時折 のぞかせる 心の中まで
(『あの人に似ている』より)
さだファンの人が歌う「あの人に似ている」に中島みゆきパートで混ざりたい。一緒に歌いたい。いないよなそんな奇特な人。
— じばてろver2.0 (@zibakutero) January 11, 2020
「あの人に似ている」を作っている時は、ほとんど文通状態だったと中島みゆきさんが証言していた。 #生さだ
— Fumi-Higashi(#心はひとつ#勝つべくして勝つ!) (@leaf_fuyuki1969) June 24, 2017
『みにくいあひるの子』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
1978年に研ナオコに提供された曲のセルフカバー。
周りから三枚目キャラのようにイジられる女の悲哀が描かれている。
「愛している」という切実な気持ちも、おどけて言わなければ受け取ってくれないのである。
あゝ 今夜も私は おどけていうしかない
愛してます 愛してます なお人は笑う
(『みにくいあひるの子』より)
中島みゆき作のみにくいあひるの子を聞くと、涙が出てしまうんです〜
— hukuaka aka (@sayorana) April 4, 2020
研ナオコさんのみにくいあひるの子って中島みゆきさんが作詞作曲してるんだね〜なんか頭の中に残るなーと思っていた
— 花桜固定に新刊情報 (@nounaitokonatsu) June 3, 2020
『愛される花 愛されぬ花』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
1986年に三田寛子に提供された曲のセルフカバー。
中国では周筆暢(ジョウ・ビーチャン)がこの曲をカバーし、テレビドラマの主題歌に起用された。
9.6億人に視聴されたドラマなだけに、中国では日本以上に知名度の高い曲なのだ。
同じ咲いて散る運命なのに、この世には好かれる花と好かれない花がある。
あの人が ただ赤い花を
忘れられないならば それまでだけど
愛される花も 愛されぬ花も
咲いて散るひと春に 変わりないのに
(『愛される花 愛されぬ花』より)
赤い花になりたいけど、白い花
中島みゆき「愛される花 愛されぬ花」の歌詞 / 歌詞検索サービス「歌ネット」 https://t.co/P36rPvgCQ6 #utanet
— ゆきかず @北九州~福岡 (@chikutaku2016) May 7, 2021
赤い花ゆれる 愛されてゆれる
愛されて頬そめて 恥じらっている
白い花ゆれる うつむいてゆれる
愛されることなくて 恥じらっている『愛される花愛されぬ花/中島みゆきさん』
私は自分がずっと白い花だと思ってたけど、そこそこピンク色ぐらいかなって思えた(*^^*)
— いわえり岩本恵里@歌しか勝たん (@iwaeri86) November 28, 2017
『裸爪(はだし)のライオン』
作詞 中島みゆき
作曲 後藤次利
編曲 瀬尾一三
1988年に工藤静香に提供された曲のセルフカバー。
束縛された今までと決別して、違う場所を目指していこうとするティーンエイジャーならではの血気盛んな曲。
今日僕は古い教科書を焼いた
涙をぬぐいながら
校庭の隅でいつもひとりだった
あの頃の日々を焼いた
(『裸足(はだし)のライオン』より)
中島みゆきさんの 裸爪(はだし)のライオン という曲中 なつかしさは愛と違う という歌詞が何故かずっと心に残っています
— gutta■5/1〜洋子の秘密部屋。vol.17 (@viator_works) October 26, 2012
でさ~中島みゆき嬢の裸爪のライオンはじめて聴いたんですよ
やっぱ良い曲だな~と思いましたね。しーちゃんバージョンも良いけど。どっちも良い。人気あるだけある。改めて静香名盤だなと…ミッツマングローブが名盤と言ってるのはじめて分かった。— ぐ (@fuyuyuukiv6) November 16, 2018
『紫の桜』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
1998年上演の「夜会VOL.10 海嘯」のために書き下ろされた曲。
「紫の桜」とは、「夜会VOL.10 海嘯」の舞台であるハワイで春から夏にかけて咲くジャカランダという花のこと。
「夜会」では、力強い歌唱でラストシーンを印象づけたが、このアルバムでは、「おとぎばなし」というコンセプトのもと控えめなアレンジに変更されている。
2002年「Weeklyぴあ」10月7日号のインタビューでは、以下のように答えている。
「この通りに舞台でやったら、ストーリー判らなくなるでしょうからね」
長い歳月を生きてきた桜は、人間より語れるものが多いのである。
桜 桜 200年も前に
桜 桜 見たものを話せ
桜 桜 果てしなく前に
桜 桜 見たものを話せ
(『紫の桜』より)
桜の歌ってーと一番インパクトあったのはみゆきさんの「紫の桜」。また目の前で観たいなぁ…。 #中島みゆき
— なかやまらいでん/夏以降のお仕事募集中 (@nakayamaraiden) April 1, 2022
中島みゆきの紫の桜がとても文豪妄想出来る代物である。
— 蒼嵐/Seiran (@bluestorm8) October 1, 2017
『海よ』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
1976年のデビューアルバム『私の声が聞こえますか』に収録されていた曲のセルフリメイク。
ラストに流れる波の音は、カナダの録音技師が実際に録った波の音だ。
このアルバムがリリースされた2002年は、北朝鮮拉致被害者が長い年月を経て日本へ帰国した年。
海の向こうの故郷に思いを馳せるこの曲を、拉致被害者の境遇と重ねて聴いていた人も多かったのではないだろうか。
海よ おまえが 泣いてる夜は
遠い 故郷の 歌を歌おう
海よ おまえが 呼んでる夜は
遠い 舟乗りの 歌を歌おう
(『海よ』より)
中島みゆき『海よ』は、『海よお前が-帆船日本丸の青春-』(1981)の主題歌だった。
そして2002年、『おとぎばなし-Fairy Ring-』に納められたそれを聞いて私は、北朝鮮拉致被害者を想った。— kaz.nofue (@kaznofue) November 18, 2015
中島みゆきの、海よも素敵な歌だったなー。海よ、おまえが泣いてる夜は遠いふるさとの歌を歌おう。
— beige (@iltono881) February 11, 2020
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