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中島みゆきとさくらももこの関係|対談から見えてくる2人の共通点

1990年「月刊カドカワ」6月号に、中島みゆきと漫画家・さくらももこの対談記事が掲載された。
接点のない2人に思えるが、さくらももこは中島みゆきのファンで、中島みゆきもさくらももこの作品の愛読者であったことはあまり知られていない。
対談から見えてくる2人の関係や共通点に迫ってみよう。

この記事は、

  • さくらももこが聴いていた中島みゆきの曲
  • 中島みゆきとさくらももこの創作の共通点
  • 「中島みゆきのオールナイトニッポン」終了後にラジオへ復帰した理由

について書いてます!

夢おじ子
夢おじ子
中島みゆきの曲を全て聴いてきたファン歴30年以上の夢おじ子が解説!

「みゆきのあくしゅ券」が欲しかったさくらももこ

さくらももこが、「中島みゆきのオールナイトニッポン」を聴くようになったのは1982年頃だという。
何度かハガキを投稿したが、残念ながら読まれることはなかったようだ。

ももこ「私、握手券が欲しくて、欲しくて」

さくらももこが欲しがっていたのは「みゆきのあくしゅ券」のことだ。
「中島みゆきオールナイトニッポン」の中でハガキを読まれたリスナーに送られる券で、これを持っていると中島みゆきと握手できる権利を有するのだ。

ももこ「でも、見かけただけじゃ握手してもらえないんですよね?」
みゆき「うん、ただその券を出しただけじゃダメなんです」

「みゆきのあくしゅ券」の裏には、「みゆきと握手する方法」が書かれている。

  1. みゆきの握手カードを持っているというサインを送る
    みゆきと出会ったら、モンチッチのように右手の親指をしゃぶってサインを送る。
  2. みゆきに握手カードを見せる
    みゆきがサインに気がついたら、カードを見せよう。
    そのとき『わかれうた』を口笛でふくこと。
    (みゆきに無視されたら直にわかれること。口笛のふけない人は、それだけで握手する資格がないのだ)
  3. みゆきと握手する
    ①と②をクリアーしたキミは、握手する権利ができた。
    さっそく近くの水道で手を洗って3秒間だけ握手しよう。
  • 【大当り】
    もし、みゆき通りで①と②をクリアーしたキミは大幸運。
    右手で5秒、左手で5秒の握手ができるのだ。

このように、中島みゆきと握手するにはいくつものハードルを越えなければならないのだ。
そんな難関をクリアしてでも握手しようとするツワモノが実際にいたのだろうか?

みゆき「いたんですよ、悲しいヤツが」

中島みゆきによると、コンサートで歌っている最中に前に出てきて握手券を出してきたツワモノがいたらしい。
だが、歌ってる途中に握手できるはずもなく、ただの虚しいヤツとしてやり過ごされたという。

さくらももこが聴いていた中島みゆきの曲

『髪を洗う女』

ももこ「あの頃(漫画家になる前)はアルバムもホントによく聴いて、聴いて、聴いて。やっぱり失恋すると髪を洗ったりしちゃうんだろうなぁ」

おそらく、1983年のアルバム『予感』の収録曲『髪を洗う女』のことを言っているのであろう。

⇒『髪を洗う女』(レコチョク試聴あり)

煙草の煙が流れない
お酒の香りが流れない
あいつの全てが流れない
(『髪を洗う女』より)

『極楽通りへいらっしゃい』

1991年出版のさくらももこのエッセイ「もものかんづめ」(集英社)には、中島みゆきの『極楽通りへいらっしゃい』という曲が登場する
さくらももこは、すでに漫画家としてデビューしていたが、並行して政府刊行物を作る出版社にОLとしても勤務していた。
新入社員の歓迎会で歌ったのがこの曲なのだ。

⇒『極楽通りへいらっしゃい』(レコチョク試聴あり)

今日は何回頭下げたの ひとからバカだって言われたの
殴り返したい気持ちを貯めて あたしを笑いにきたんでしょ
(『極楽通りへいらっしゃい』より)

歌いながら、すぐにこれがサラリーマンの悲哀を歌っている曲であることに気がつく。
場が気まずくなってしまったことがコミカルに描かれいる。

1991年に出版されたさくらももこのエッセイ集「もものかんづめ」(集英社)は、その軽快で独特な文体がウケて約200万部の売り上げを記録した。
後に出版された「さるのこしかけ」「たいのかしら」を含めた三部作の1つ。

中島みゆきは調子いい時に聴く

恋愛経験がない時から、中島みゆきの歌詞には不思議と共感してしまうものがあったようだ。
だが、そんなさくらももこも、恋愛で痛い目にあった後に中島みゆきを聴くのはさすがに辛いらしい。
中島みゆきを聴くのは、気持ちのコンディションがいい時に限るのである。

みゆき「私の歌ってどちらかというと、落ち込んで崖っぷちに立ってる人を引き止めるんじゃなくて、押しちゃう歌ですからね(笑)」

さくらももこの漫画を読んだ中島みゆきの感想

中島みゆきが最初にさくらももこの作品を読んだのは、マンガ雑誌「りぼん」(集英社)だった。
思い切りがよいのとテンポがよいのが気に入ったという。
ただ、さくらももこの描く絵のタッチには少し首を捻ってしまうフシも正直あったようだ。

みゆき「この人デッサンできるのか、できないのか、わからない人だなあって」

ワザと外して描いているのか、そうでないのか、中島みゆきには判断がつかなかったらしい。

ももこ「あれが実力の全てなんですよ(笑)」

中島みゆきは、NHKホールでコンサートを行ったとき、どこかからの差し入れで、さくらももこの作品「ちびまる子ちゃん」(集英社)4冊を受け取っている。
マンガ雑誌「りぼん」(集英社)で読んだことのあるアレだと分かり、それ以来、自分で単行本を買うようにしているらしい。

さくらももこと中島みゆきの創作の共通点

机以外のところで閃く

さくらももこは台所でマンガを描くのがクセになっているという。
お腹が空いた時には好都合の場所だからだ。

ももこ「煮物やりながら描いたりとかしますね」

一方の中島みゆきも、タモリとの対談で、アイディアをよく思いつくのはトイレだと明かしている
イマジネーションを刺激するのは、意外とこういう所なのかもしれない。

創作の共通点

この対談の中で、中島みゆきとさくらももこは、互いの創作活動に共通点を見出したようだ。

ももこ「記事で読んだんですけど、歌を作る時に、何ていうか、できる時期が来た時にそれがすっとできてくるというようなことが書いてあって」

中島みゆきの創作は、断片的な曲や歌詞を予めストックしておいて、それらがゆっくりと1つの曲へと結晶化していくのを待つスタイル。
この寝かしている時間が、長い時では10年以上になることもある。
これに、さくらももこは、強く共感する。

ももこ「私も描きたい題材があったとしても、その月は描けなくて、半年くらい経った頃に描ける時期がくるってのがすごくあって」

互いの体の弱点

連載というスタイルは、1カ月前に出版社から書く枚数を告げられる。
サイズが決まっていることへのストレスで、よく胃が痛くなるらしい。

ももこ「このまま行ったら私、胃の病気で死ぬと思いますね、きっと(笑)」

一方、中島みゆきも、「夜会」の台本を書いたり、書籍を出版したりと、中島みゆきも〆切に追われる身なのだが、そこは要領。
表向き余裕を装いながら、マネージャーにだけ「できないわ」と本音をもらしてストレスをやり過ごしている。
この場合、胃が痛くなるのはマネージャーの方なのだが。

自分の作品を買う人間を観察

さくらももこは本屋で、自分のマンガが掲載されている雑誌を立ち読みしている見知らぬ女の子に、「これ私が描いたの」と声をかけたことがあった。
その時のさくらももこの恰好はというと、ソバージュの髪にアロハ服姿。
ちびまる子ちゃんのイメージとかけ離れていた風貌であったため、女の子は不審そうな顔でさくらももこを見返したという。

一方、中島みゆきも、レコード屋の自分のCDが置いてある棚のそばで、購入する人の顔をウォッチングしているという。
中島みゆきの場合、テレビに露出することはほとんどないので、普段着で立っていてもバレない。

中島みゆきが観察する限りでは、みんな恥ずかしそうにCDを買っていくようだ。
1人でそっと現れ、他の商品を物色するフリしながら小脇にサッと抱えてレジへ向かう。
あるいは、他のCDに紛らせたり、表を伏せて買ったりとか、各々、工夫を凝らした買い方なのだ。

中島みゆきの駄作

漫画家の仕事には、ペン入れする前のネームという下書きの段階がある。
このネームの段階で、担当者からダメだしが出たりするのだが、さくらももこも新人時代にはこの洗礼を受けている。
「こんなおもしろくないもんじゃダメだ!」とキツいことも言われたという。

一方、中島みゆきもダメだしは受けている。
さくらももこ程ではないにせよ、「他のにしようか」「次回に回していいや」など言葉を選んで遠回しに言われることが多い。

ももこ「御蔵入りした名曲っていうのも、多いんでしょうねー、きっと」
みゆき「それがねぇ、後で聴くとやっぱり駄曲なんですよ、ハハハ。あん時出さなくて良かった、とか思う時あるんですよね」

中島みゆきの視力

さくらももこは、小学6年生の頃くらいから目が悪くなり始め、今ではコンタクトが手離せない。

ももこ「マンガのせいなんです。マンガをお風呂場でまでも読んでましたから、それで悪くなったんです」
みゆき「私もそれくらいかな。前から悪かったのかもしれないけど、気がついたのは小学校5年生くらいの時」

中島みゆきもまた本の虫で、フトンの中に忍ばせた本の文字を、懐中電灯の明かりだけを頼りに辿っていたのだった。
そのおかげで、今の視力は0.01もないという。

お酒が好きな中島みゆき

ももこ「みゆきさん、お酒飲まれますよね」
みゆき「量はそんなには飲まないんですけどね」

さくらももこは、洋酒より日本酒派。
洋酒は、飲むと気持ち悪くなってしまい不得手なのだ。
一方、中島みゆきも、日本酒好きで、他にはウォッカもイケる口だ。
ダメなのは、スコッチで、こちらは飲むと頭が痛くなってしまう。

みゆき「幸せですね、お酒飲んでると(笑)。ツアーなんかに行くと、これが地元のおいしいお酒だよ、と教えてもらえて有難いんですよね」

だが歌手の宿命か、ツアーに差し支えるためにほどほどにくらいしか飲めないのである。

中島みゆきがラジオに復帰した理由

1979年にスタートした「中島みゆきのオールナイトニッポン」が、この対談より3年前に幕を閉じている。

ももこ「まだ、DJをやってくださいね」
みゆき「実はやってるんですよ」
ももこ「ホントに!? いつですか!? 知らなかった~!」

実は、「中島みゆきのオールナイトニッポン」を引退してからわずか2年足らずでラジオに復帰していたのだった。
1989年から「ジョイフルポップ・サウンドアラカルト」(NHK FM)という番組のパーソナリティを務め、1990年からはその後継番組「ミュージックスクエア」を担当している。

「中島みゆきのオールナイトニッポン」の最終回では、「音楽に突っ走ります」と公言したはずだった。

みゆき「カッコよく言い切って辞めたんですけどね。「ゲストだったらいいかもしれない」「たまにだったらいいかもしれない」とか、だんだん和んできましてね」

その気持ちがラジオ業界へいつの間にか伝わっていて、そして、いつの間にか番組が用意されていたのだった。

⇒中島みゆきとさくらももこの対談記事はコチラ

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