1995年の中島みゆきのアルバム曲『人待ち歌』
1993年上演の「夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に」のために書き下ろされた曲だ。
この夜会のモチーフになった雨月物語「浅茅が宿」の要素が散りばめられている。
「待つ」と「待たない」を交互に繰り返すこの歌詞は、中島みゆきの哲学を含んでいるのだ。
この記事は、
- 「夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に」のために書き下ろされた『人待ち歌』
- 中島みゆきが考える「待つ」と「待たない」の違い
- 『人待ち歌』の中に描かれた雨月物語「浅茅が宿」の要素
について書いてます!
中島みゆき『人待ち歌』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
「夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に」のために書き下ろされた曲
『人待ち歌』は、1993年上演の「夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に」のために書き下ろされた。
後の1995年にリリースされたアルバム『10 WINGS』に収録されている。
夜会の方では、アルバムとは異なる以下の歌詞で歌われた。
今頃は すぐそこに 来てるかもしれないし
まだ遠い枝道で 迷うかもしれなくて
(『人待ち歌』より)
中島みゆきが考える「待つ」と「待たない」の違い
待つ、待たない、待つ、待たない
待つ、待たない、待つ、待たない
(『人待ち歌』より)
1993年11月14日放送の「ポップス・イン・ワンダーランド」(TOKYO FM)にゲスト出演した中島みゆきは、「夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に」について触れている。
脚本を書きながら、最後まで頭を悩ませていたのが、「待つ」と「待たない」の違いだった。
そして、原稿の〆切に追われている中、ようやくその答えが閃いたのだ。
「待つ」と「待たない」の違いは、「時間」だった。
劇中、時間泥棒によって歌われた『人待ち歌』は、この夜会のテーマを凝縮したような1曲になっている。
雨月物語「浅茅が宿」の要素
「夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に」は、雨月物語「浅茅が宿」が下敷きになっている。
シナリオの注釈から、劇中で歌われている曲や小道具に至るまで、「浅茅が宿」が関連付けられていることが分かる。
夜会で歌われた『人待ち歌』では、「浅茅が宿」の主人公・勝四郎が帰郷を渋っている様が反映されている。
今頃は すぐそこに 来てるかもしれないし
まだ遠い枝道で 迷うかもしれなくて
(『人待ち歌』より)
「浅茅が宿」は、ろくに働かず、極貧に陥ってしまった勝四郎が、妻・宮木を故郷に置いて京へ出稼ぎに行く。
だが、勝四郎は、秋に帰るという約束を忘れて、旅先でのんびりと時間を費やしてしまう。
夫の帰りを待ちわびる宮木の心の内を、この曲が代弁しているようにも取れる。
来る、来ない、来る、来ない
待つ、待たない、待つ、待たない
(『人待ち歌』より)
勝四郎は、ようやく妻への裏切りを自覚し、故郷へ向けて出発する。
遠くで待つ妻を思いながら歩き出す足音が、歌詞や力強いサウンドによって表現されている。
荒野を越えて 銀河を越えて
戦さを越えて 必ず逢おう
(『人待ち歌』より)
『人待ち歌』はこんな曲
待ち人は果たして来るのか。
花占いに託す心許なさは、やがて、「必ず逢う」という強い思いへ変わっていく。
来る、来ない、来る、来ない
来る、来ない、来る、来ない
荒野を越えて 銀河を越えて
戦さを越えて 必ず逢おう
(『人待ち歌』より)
『人待ち歌』のみんなの感想
中島みゆきの
人待ち歌もう25年前の歌なのに何回聞いても色あせない
そして圧巻のフェードアウト#人待ち歌#中島みゆき#10wings— シュワ@投資魔女の損切りお仕置き帳💰 (@Investing_Witch) March 26, 2019
人待ち歌 (中島みゆき) (4:00) #sm11205855 http://t.co/oLAQQqG8 こないだ絵に描いた曲。人待ち歌。本当は”「待つ」のではなく「会いにゆけ」”という歌。会うのかんじが「逢う」だったかもしれないって後で気付いた。変調は1:30くらいから。
— 白鴎189 ツキフレ新刊/既刊通販開始しております (@siroikamome) July 19, 2012
「人待ち歌」
「来る,来ない」は人任せ。
「待つ,待たない」は自分次第。
「逢う,逢えない」は運頼み。確かなものはひとつとないが
「逢おう」という折れない想いが
距離(荒野)を
時間(銀河)を
災厄(戦さ)をも越える。私たちは必ず逢う。#中島みゆき
— YUPY (@MYUPYZ) March 11, 2020
本人映像
『夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に』
1993年上演。雨月物語「浅茅が宿」がモチーフの作品。
季節ごとに、それぞれ4人の「待つ女」を中島みゆき1人が演じている。
⇒『夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に』の解説&みんなの感想
『人待ち歌』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『10 WINGS』
1995年リリースのオリジナルアルバム。
- 「夜会」のテーマ曲『二隻の舟』のリメイク
- パナソニック「ブレンビー」のCMソング『Maybe』のリメイク
- 世良公則とのデュエット『ふたりは』
を含む全10曲。
【収録曲】
『二隻の舟』『思い出させてあげる』『泣かないでアマテラス』『Maybe』『ふたりは』『DIAMOND CAGE』『I love him』『子守歌』『生きてゆくおまえ』『人待ち歌』
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