ラジオ

松任谷由実VS中島みゆき|ラジオ対談(1980年代)

女友達

松任谷由実と中島みゆきはとかく比較されやすい大物アーティストである。

お互いに対抗意識を持っていると思う人がいるかもしれないが、デビュー初期あたりから何度もラジオ対談はされていて、付き合いは長い。

冒頭は休暇について

ユーミン「さて今日は私の前にこんな方が遊びに来てくれました」

中島「中島です、こんばんは」

6月か5月かくらいにユーミンは中島の番組に出演している。

その時に、番号を交換した2人だったが、

ユーミン「電話かけてもぜんぜん掴まんないのね」

中島「え、くれた?」

中島も電話をずっと待っていたらしいが、まだスマホや携帯のない時代なので行き違いはよくあること。

ユーミン「北海道と東京はだいたいどのぐらいのペースで行き来してんの?」

まだこの頃の中島は故郷の北海道在住だった。

中島「この夏は盆休みが入ったから」

盆休み、正月休み、田植え休み、取り入れ休みという中島みゆきの口から出てくる休みのバリエーションが物珍しいのか、ユーミン大興奮。

中島「おたくは一体どういう暦で?」

ユーミン「私は、降臨祭とか、イースター休みとか」

中島「ハハハ!」

すごい、この2人。
休暇まで世界観が違う。

中島みゆきの音楽について

レコードを出す時の心境

話変わって、音楽の話に。

ユーミンは、夕べ寝る前に曲が頭に浮かび、それを忘れないうちに録音したが、それをやったがためにその後、気が高ぶってしまって眠れなくなったという。

夫の松任谷正隆にも、「その時間に書いたら絶対眠れないよ」と言われたそうな。

ユーミン「私の場合ね、レコードが出来て歌詞カード見た時に、『あ、手元を離れた』っていう感じがあるんだけど、そういうのない?」

中島「そうね、同じ意味なんだろうけどもね、この次歌うときは別のタッチでやりたいなあとは思う」

曲を書いてレコーディングに日を迎えた時には、曲を書いた時の気持ち通りに歌いたくないかもしれないし、また、レコードで曲が出て行くと、それが決定稿のようにとられがちだが、それにも違和感があるんだとか。

中島「コンサートなら『間違えちゃいけない』と今まではそう思ってきたんだけど、『べつにいいじゃない間違えても』と最近は思っちゃう」

発表した曲でも、後に歌いたくない歌詞がたまにあるんだそうな。

泣きながら歌うことはある?

ユーミン「ライブ以上にレコーディングで感情高ぶっちゃう人もいるけど、レコーディングで泣いちゃったことある?」

中島「うん、ある」

ユーミンは、それとは逆らしい。

ユーミン「歌い方自体が感情に走ると私なんかもう歌がしっちゃかめっちゃかで」

中島「私もあるよ(笑)」

泣く歌といってもたまに。

歌にならないほどには行き過ぎないように気をつけているという。

他のアーティストとは違う中島みゆき

ユーミン「あなたの場合はすごく興味がありますね」

と、自分とは異なる中島みゆきの発想力のこと。

日本の女性の中でそう感じるのは中島みゆきくらいだと言うユーミン。

同じ音楽という畑で活動しているが、女優やカメラマンなど違うジャンルの友達と話しているような感じになるという。

中島みゆきが思う松任谷由実

ユーミンの細い指

中島もユーミンとは音楽とは別のところで話ができているという印象があるよう。

だけど、たまにユーミンが自分をとことん追い詰めていく姿が、意地らしくて痛々しくもあるという。

中島「もっと小ずるければもっと楽にやれるんじゃないかなぁって思う」

中島はユーミンの痩せた指も心配している。

中島「私も指細いほうだけど、ユーミンのには負けてる」

ン? 競い合ってるのか?

中島「手が痩せるのって相当精神的なものがないと痩せないんじゃない?」

ユーミン「そんなのあるワケ!?
そんな苦労してんのかなあ私って(笑)
でも、あたはた歌の中で追い詰めてるから、実生活は健康的なんだよね。
私は歌の中では追い詰めてないから。
食わねど高楊枝って感じだし」

「私らしさってなんだろう」

松任谷由実は、そんな歌のカラーが世間に定着しているため、一生、商品イメージを崩さずやっていかなければならないのかとちょっと不安のよう。

中島「最近私も特に思うんだけどさ、『私らしさってなんだろう』って思うのよね」

レコード会社から「あなたらしい曲をやってくれ」という注文があったり、会う人から「レコードのイメージと違いますね」と言われるたびに、中島は「自分らしさ」というものを深く考えるようになったという。

中島「『私らしいことをしなくちゃ、私はみんなと同じになってしまうんじゃないか』とかさ、『人に埋もれるのは怖い』とかね思ってたのね」

学生の頃からそんな強迫観念につきまとわれていた中島だったが、ある春の晴れた日に、悟った。

中島「(自分らしさなんて)ないと思ったワケ」

探し求めていた自分がなくて愕然としたという。

結局、自分がやろうとすることはみんな自分。

始めから自分らしさとはないものだという結論を得たのだ。

自身を「相対的」という松任谷由実

ユーミンは、自分の行動基準を「相対的」と言う。

ユーミン「子どものときから割とライバルとかそういうのをね、別に向こうは何とも思ってなくても、攻撃目標みたいなものを立てちゃうのよね」

中島「逆に自ら攻撃目標になろうとしてる気がする」

ユーミン「ああ、そうかもしれないな」

中島「痛々しいのう(笑)」

ユーミン「ああ、そう?(笑)
なんか慰められ会だな今日は(笑)」

中島みゆきの場合、これまでは攻撃目標になりたくないという思いが強かったが、今は「なってもいいや」と思えるようになった。

中島「どういう風に見られたっていいじゃないかと思うんだね。
私らしさって元々あるもんでもないワケだし」

ユーミンは中島との対話で色々思うことあるようで自分が音楽をやってきた理由について語り始める。

ユーミン「結局音楽とか表現活動みたいなしてるのってね、『自分は一体なんなんだろう』って常に知りたいじゃない?」

中島みゆきとはその方法論が違うかもしれないが、だからこそ比較してみたいのだという。

ユーミン「中島みゆきさんと話して安心するというのはさ、明らかに異質だってところよね」

中島みゆきの男性観

中島みゆきの初恋

続いて「男性観」の話になる。

秋になると何かに目覚めたいと思う中島。

逆に夏はダメだという。

中島「なんかうっとうしいの(笑)
1人で冷やしラーメン食べながら冷蔵庫の蓋開けっ放しにしたいって気持ちになる(笑)」

寒いと割と愛嬌が振りまけるんだとか。

中島「ウチの初恋は秋でしたね」

初恋の頃から自分から駆けていくというスタイルの恋は、曲にも反映しているという。

自分の曲を「セミドキュメンタリー」と形容する中島。

ユーミン「でも、私もそういうとこあるかなあ」

中島みゆきと松任谷由実の恋愛歌の違い

ユーミン「私の場合は『見返してやる』ってのを歌に出しちゃうワケ。
そういうのみゆきさんの曲にはないでしょ?」

中島「個人的に、五寸釘ね。
人形に打ちつけちゃうっていうタイプ」

人が見えてない闇の部分は、レコードで世に出せば、誰かに対する(特定の男という意)あてつけ的な嫌味になると笑う。

中島「どっかで聞いてやがんだろうなとかあるけどね(笑)」

ユーミン「あるある、それは意識するよね(笑)」

ユーミンは、そういう時に備えてか曲に綺麗な演出を施すようで、

ユーミン「お前が残した苦悩を私は美しく楽しんでるよ」

と歌の中に出てくる風景に織り込むのだという。

作家は嫌な職業

ユーミンはタモリが以前話していたことを思い出す。

「人の悩みとか憂いは切り捨てれば楽になるはずなのに、作家はそれを敢えてほじくり出して突き詰めようとする嫌な職業」

ユーミンはタモリの言ったことに理解を示しつつも、

ユーミン「でもそういうことほじくり返さないと歌になんないじゃない」

と矛盾を抱えているという。

松任谷由実の男のタイプ

中島「ユーミンってさ、男の人の好みってあるワケ?」

ユーミン「すごくナイーブで、ある意味で坊ちゃんタイプか、それか全く逆のバンカラなタイプか」

好みが両極端。

ユーミン曰く、バンカラな人には極めてバンカラな人にウケる要素があるんだとか。

そんなユーミン自身がバンカラタイプと自己分析。

中島「うん、そう思った!」

中島から見てもそのようなイメージのようだ。

ユーミンは、周りがお嬢様という環境で育ってきたため、そこに馴染まないように自ら意識して自分をバンカラにしてきたという。

「バンカラ」とは言動などが荒々しいさまのことをいう。

「ハイカラ」とは対になるコトバ。

中島みゆきの男のタイプ

ユーミン「男の好みあるワケ?」

中島「どっちかというと『皿用意して待ってるわ』『帰りに魚釣ってきてね』って感じだから」

逆に「一緒に走りましょう」っていうようなスポーツマンにはついていけないという。

ユーミン「私なんかさ、別の料理作ってんのよね」

中島「アハハハ!」

ユーミン「魚がまずかったら嫌だから」

中島「オタクの旦那だったら魚屋に寄って買ってきてくれるよ」

ユーミン「ああ、そういうタイプかもしれない。
釣れなかったらそうするんだろうね」

相手より自分本位という点で、自分を「デリカシーのない女」と形容するユーミン。

だが、中島がそれをフォロー。

中島「良いことよ。
自分本位っていいと思うんだ。
『あなたのためにあなたのために』ってひっくり返せば『あなたのせいよ』でしょ(笑)」

ユーミン「今日のオチが出たね(笑)」

おあとがよろしいようで。

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