「中島みゆき」と「デュエット」は、ファンではない人からすればあまり結びつかないワードかもしれないが、中島みゆきは、これまでに何組ものアーティストとデュエットしていて、その映像や音源がDVD(Blu-ray)やCDとして残っている。
詳しくみていこう。
『永遠の嘘をついてくれ』(with 吉田拓郎)
2006年、静岡県掛川市で行われた「吉田拓郎&かぐや姫 Concert in つま恋 2006」。
そのシークレットゲストに中島みゆきが登場した。
吉田拓郎が、1995年に中島みゆきから提供してもらった『永遠の嘘をついてくれ』をステージで歌っているときに、舞台袖から現れる謎の人影。
大画面に中島みゆきの姿が映し出されると場内はどよめいた。
未だに伝説のコラボステージとして語り継がれている。
なお、中島みゆきは、1996年に発売したアルバム『パラダイス・カフェ』の中で、『永遠の嘘をついてくれ』をセルフカバーしている。
曲説明
姿をくらませた友人から届いた手紙。
「探しには来るな」と書かれている。
永遠の嘘をつき通すためなのか。
友が離れていった理由や、その嘘についての詳細が明らかにされていないので、いろんな解釈が出回っている。

『宙船(そらふね)』(with 宮下文一)
TOKIOに提供した楽曲『宙船(そらふね)』。
中島みゆき自身、2006年に発売したアルバム『ララバイSINGER』の中でセルフカバーしている。
2007年に行われたコンサートツアーの中では、『宙船(そらふね)』を宮下文一とデュエットしている。
この宮下文一、普段は中島みゆきのコンサートや『夜会』の中でバックコーラスを担当しているが、TOKIOに渡した『宙船(そらふね)』のデモテープが、宮下文一の歌声で作成された縁で、デュエットに至った。
「何の試験の時間なんだ
何を裁く秤なんだ」
のパートを中島と宮下で交互に力強く歌い、男女というより同志のデュエットという印象が強い。
なお、この模様は、DVD(Blu-ray)『歌旅 -中島みゆきコンサートツアー2007-』に収められている。
曲説明
「おまえのオールをまかせるな」
競争社会で生き抜いていくためには結局信じられるのは自分だけ。
「その船を漕いでゆけ」
力強いメッセージは球児の応援歌として甲子園の行進曲にも採用された。


『いつか夢の中へ』(with 宮下文一)
こちらも宮下文一とのデュエット曲。
『いつか夢の中へ』は、もともとは、1995年に上演された『夜会VOL.9 2/2』のために作られた曲で、出演した藤敏也と一緒に歌われた曲。
その後、1999年、宮下文一とのデュエットにより、アルバム『日-WINGS』に収録された。
なお、このレコーディングの様子は、1999年12月7日にNHK衛星第2で放送された「スーパースターライブ/中島みゆき・夜会の冒険」の中で放送された。
この番組のナレーションも務めた宮下はレコーディングの時のことを振り返り、
「このレコーディングで、みゆきさんの歌声を聴いた私は感極まり涙があふれてきました。
こんな経験は初めてのことです」
と、感動を述べている。
『宙船(そらふね)』が同志の歌ならば、こちらは、男女の愛を優しく包み込むような印象。
同じ中島みゆき&宮下文一のデュエットでも、ずいぶんと表情が違うことに驚かされる。
曲説明
「夢」という希望を抱かせるタイトルとは裏腹に、
「あなたなしにさまよっている」
「何処へゆくのかわからない」
など随所に儚さを感じさせる曲になっている。
だが、これも男と女の愛の形なのだ。
『この空を飛べたら』(with 加藤登紀子)
中島みゆきが加藤登紀子に提供した楽曲『この空を飛べたら』。
中島みゆき自身も、1979年にアルバム『おかえりなさい』でこの曲をセルフカバーし、また、2004年には、瀬尾一三によるアレンジでセルフリメイクしたものが、アルバム『いまのきもち』に収録された。
中島みゆきは、1977年11月6日に、日本テレビ系「コッキーポップ」、1978年2月21日にフジテレビ系「ミュージックフェア」に、加藤登紀子と出演し、デュエットでこの曲を歌っている。
「ミュージクフェア」の方で中島みゆきはギターを爪弾き、1番はバックコーラスに徹している。
「コッキーポップ」の方の映像は、3枚組DVD-BOXで販売されている。
『この空を飛べたら』が収録されているDISC1には、中島みゆきが歌う『時代』の貴重な映像も収録されている。
曲説明
「あの人が突然戻ったらなんて」
とのっけから中島みゆきワールド炸裂のこの曲。
別れを告げられても男のことを想いながら空を眺めてしまう自分に、
「人は昔、鳥だったのかもしれない」
と思ってしまうこのセンスが素晴らしい。


『ふたりは』(with 世良公則)
1990年にアルバム『夜を往け』に収録されていた曲で、『夜会1990』でも歌われた曲。
もともと中島みゆきだけで歌われていた曲だったが、1995年に発売されたアルバム『10 WINGS』では、世良公則とのデュエットでセルフリメイクされた。
厳密には、森ノ木児童合唱団も加わっていて、3者のパートから歌われている。
世良公則は、中島みゆきと同じヤマハポピュラーソングコンテストの出身。
1977年の第14回大会で『あんたのバラード』を歌い、グランプリに輝いている。
中島みゆきがパーソナリティーを務める「オールナイトニッポン」宛てに、長渕剛といっしょに歌った『春なのに』を送り、誕生日を祝うなど、親交があったようだ。
曲説明
曲の中に出てくる登場人物が「バイタ(売女)」と、「ゴロツキ」というショッキングな設定。
それに加え、この2人をよくは思わない「街の人」という3者の視点で歌われている。
世間から忌み嫌われてきた男と女が、荒波を経て出会うという結末になっている。
これもハッピーエンドの形なのだろう。

『あの人に似ている』
1994年に高倉健と裕木奈江に提供されたデュエット曲。
男性パートの作詞・作曲をさだまさし、
女性パートの作詞・作曲を中島みゆきが手掛けている。
それぞれ違うメロディが同時に歌われ、サビ部分だけ同じメロディを歌うという、斬新な構成になっている。
2002年に、ようやく作り手側によるデュエットが実現する。
中島みゆき&さだまさしが歌う『あの人に似ている』は、アルバム『おとぎばなし-Fairy Ring-』に、収録されている。
中島みゆき&さだまさし『あの人に似ている』(レコチョク試聴あり)
歌詞説明
男と女、それぞれに報われなかった恋をしてきた。
そんなある時、1人の人と出会う。
その人は、昔愛した人に似ていた。
「涼し気な横顔」
「明るく振る舞う処も」
など、似ているところを発見しながら、恋に落ちていく過程が切なく描かれている。

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