『夜会』は東京でしか行わないというのがコンサートとは違う1つの特徴だったが、実は、大阪でも公演されていた時期があった。
今回は、2006年、初の大阪公演を前に中島みゆきが出演した毎日放送(MBSテレビ)「ちちんぷいぷい」の模様をまとめてみた。
『夜会』の舞台裏を覗いた貴重な資料だ。
中島みゆきがじきじきにお出迎え
冒頭は中島みゆきの『地上の星』のPV映像が流れる。

そして次に映し出されたのは「イオン化粧品シアターBRAVA!」の建物。
2006年、大阪市中央区にあるこの劇場で、『夜会VOL.14 24時着 00時発』が上演された。
それまで『夜会』は東京でしか行わなかった中島みゆき。
大阪公演は初の試み。
「BRAVA!」の前の階段を上がりながら角淳一アナ、少し緊張気味。
これから中島みゆきに会うのだ。
「なぜ私のことをそんなに気に入ってくださっているのか分からないんですけどね」
どうやら中島みゆきのご指名らしい。
角アナは、東京のミュージシャンと幅広く交流があるらしく、中島みゆきの同志でもあるさだまさしや松山千春とも親交がある。
「こんにちは~
お久しぶりでございます~」
中島みゆきがロビーで直々にお出迎え。
『夜会』の開演時間
「イオン化粧品シアターBRAVA!」は中島みゆきが大阪で探していた『夜会』にうってつけの場所だった。
「夜遅いんですこの公演は」
勤め人が、ちゃんと余裕もって来れるように20時開演するというのが『夜会』の特徴の1つだ。
だが、それが可能なホールというのは、なかなかないんだとか。
『夜会』の舞台セットとそれができるまで
ロビーにはこれまでの『夜会』の舞台模型やチラシが展示されていて、中島みゆきが1つ1つ解説する。
最初に紹介したのは、1994年に上演された『夜会VOL.6 シャングリラ』の舞台模型。
らせん状の階段とその上に宙に浮いた状態のバルコニー。
セットの下にはオーケストラがいる。
『夜会』は、芝居に合せて曲がつけられるように、必ず生演奏で行われるのだ。
「演奏するほうも上の方(ステージ)を見ながら演奏して動いていくんで、もぐらの気持ちですね」
このようなセットについても中島みゆきが注文している。
専門用語を知らない中島の抽象的なコトバを手がかりに、美術スタッフが具体的な案を出し、そのセッションでセットを作り上げていくのだそう。
『夜会VOL.14 24時着 00時発』の舞台構造
「いらっしゃいませ~」
中島みゆきが角アナをホール内へ連れて行く。
『夜会VOL.14 24時着 00時発』の舞台セットが映し出される。
舞台の両壁にはいくつもの入り口が作られていて、中島みゆきがどこからも登場できるようになっている。
角アナがまず目を向けた場所は、ステージ下のオーケストラが潜む場所。
「お~深いな~!」
ピアノ、シンセサイザー、いろいろな機材や楽器が詰め込まれている。
「このメンバーを見るだけでも楽しいんですよ」
特に2階席の客席からはよく見えるような構造になっているのだ。
「2階席もおいしいんですよ!」
続いて角が目を向けた先は、ステージ上のセット。
ホテルのロビーのセットで、受付や、物語で重要なカギとなる大時計がある。
そして、その後ろに見えるドアや階段。
「あれ、なんか意味があるんですか?」
「ええ、とっても意味があるんです~」
実は、この舞台の奥には多くの仕掛けが隠されていて、これを収容できる条件を満たしていのがこの「イオン化粧品シアターBRAVA!」だった。
大阪公演への期待
「これまでの『夜会』とは違う『夜会』ができるんじゃないかと」
大阪ならではの大阪から生まれる第一回の『夜会』。
中島みゆきはこの大阪公演に大きな期待を寄せていた。
ここでリハーサルで『パーティー・ライツ』を歌う中島みゆきに映像が切り替わる。
『夜会VOL.13 24時着 0時発』『夜会VOL.14 24時着 00時発』のために書き下ろされた曲だ。
テレビ出演の理由
そもそも、中島みゆきは、どうして毎日放送(MBSテレビ)に出演したのだろう?
角アナが訊いてみると、
「ラジオって仕事を、大阪のMBSでDJという教育をしていただいて」
と、中島。
そう。
まだ、オールナイトニッポンをやる前の1978年から4年に渡って中島みゆきは、毎日放送のラジオ番組「ミュージックマガジン」に出演していた。
「それまで私は内気な人間だったんでございますけどね」
中島みゆきの軽快なおしゃべりは、そこで鍛えられ、後のオールナイトニッポンのDJへの布石となった。
「なかなか私もテレビは苦手なので」
そう語る中島が、昔の縁ということで、今回のテレビ出演が叶ったのである。
『夜会』って何?
「大阪の人たちが『夜会』って何? と思ってる人もいると思うんですよ。
大人が集まってよからぬことをしてるような……」
角アナの誤解を解くために、中島みゆきが初心者にも分かるように『夜会』の説明をする。
いちおう、観客を前に歌を歌うという点ではコンサートと同じなのだが、違う点は、まず20時という開演時間。
コンサートは開演時間が18時とか18時半などが多いが、それだと勤め人にはちょっとキツい。
「いい曲終わっちゃったかなって感じで滑り込みみたいなことが多いんです」
20時開演であれば、仕事終わりでも、ゆっくりジャケット着替えたりできる。
「ゆっくり見ていただけるものをやりたい」
そういう思いがあり、『夜会』と名がつけられたのだ。
大阪だから意識すること
「大阪の土地柄というのもなにか意識されてることはありますか?」
角アナの質問に、中島みゆきは大阪人のノリの良さを答える。
コンサートツアーで強くそのことを感じるようで、お客さん自身も舞台に出演しているような印象を受けるとのこと。
「一緒に作れるという何かができるんじゃないかという別な楽しみがあるんです」
ここで角アナ、井上陽水のステージに酔っぱらいながら上がってきたノリの良すぎる大阪人の客の例を話す。
中島、これには、
「『夜会』は返事する暇がなくてごめんなさい」
と笑いながら予防線を張っておく。
そんな中島みゆき、舞台以外で楽しみにしていることがあり、それが、
「粉もんです」
さらには、ここ最近よく行ってる場所に大阪のダイエーを挙げる。
さらにはさらには、上沼恵美子が大阪城を所有しているというホラ話を真に受けているのか、
「菓子折りの下に大判小判で差し上げなくてはならないでしょ?」
とか、
大阪駅付近を行き交う人々がみんな上沼恵美子に見えるなど、しばらく上沼恵美子ネタで盛り上がる。
後日談。
上沼恵美子がパーソナリティーを務めるラジオ番組「こころ晴天」で中島みゆきのこのくだりが話題にのぼり、上沼は「私、大ファンなんですよ」と明かす。
中島みゆきは2002年のFM大阪「Good day Good night」にゲスト出演した際に、上沼恵美子のファンだと語っている。
つまり、両想いということだ。
最後に関西のみなさんへ
そろそろお別れの時間。
中島みゆき、最後に関西の人へ、
「大阪で育てていただいたというありがたい記憶が染みついておりまして」
と感謝を述べ、
「皆さまに生み育てていただくつもりで頑張ります」
と、これからの『夜会』への意気込みを添え、終了。
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