中島みゆき『PAIN』のもう1つの形|「笑え雨よ」の意味|レコーディング風景の映像

包帯

1999年11月3日に発売された27作目のアルバムに収録されている
『PAIN』
をみていこう。

中島みゆき『PAIN』

 

『PAIN』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 David Campbell

収録アルバム

『月-WINGS』

『月-WINGS』(レコチョク試聴あり)

1999年11月3日に発売された27作目のオリジナルアルバム。

中島みゆきのライフワークともいえる言葉の実験劇場「夜会」から生まれた楽曲コレクション。

1995年の『夜会VOL.7 2/2』から1998年の『夜会VOL.10 海嘯』までの4つの舞台で歌われた楽曲から9曲をセレクト。

『PAIN』は6曲目に収録されている。

『夜会VOL.8 問う女』から生まれた曲

『PAIN』は1996年に上演された『夜会VOL.8 問う女』のために書き下ろされた曲。

言葉を盾にして人と広く浅くしか関わってこなかった地方局のアナウンサー・綾瀬まりあ(中島みゆき)が、1人のタイ人娼婦の出会いを通して、自分の言葉を取り戻していくというストーリー。

舞台のラストで歌われている。

ゴンドラ
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『PAIN』と『RAIN』

舞台の中盤で歌われる『RAIN』という曲があるが、これは、『PAIN』の歌詞を一部変えたもの。

「PAIN」「痛み」を、「RAIN」「雨」をそれぞれ意味している。

歌詞に「痛み」や「雨」という言葉が織り交ぜられている。

「どんなに傷つき汚れても 人はまだ傷つく
 痛まない人など あるだろうか」

「歌え雨よ 笑え雨よ
 救いのない人の 愚かさを」

(『PAIN』より)

この2曲を聴き比べると、主人公・綾瀬まりあ(中島みゆき)の心境の変化が読み取れる。

以下が、2曲の相違する歌詞の部分だ。

『RAIN』

「見えるだろう
 心の中には決して必ずしも
 綺麗な花だけ咲きはしない」

「ただ流され行く心に言葉はいらない」

『PAIN』

「ただ流され行く木の葉に 綴られた言葉を」

また、CDの方に収録されている『PAIN』は以上のいずれとも異なる歌詞が含まれている。

CD版『PAIN』

「見えるだろう
 心の中には淋しさの手紙が
 宛名を書きかけてあふれている」

以上のように『RAIN』『PAIN』CD版『PAIN』は、三者三様で、物語の脈絡や中島みゆきの思考の跡を推測しながら聴くのも面白いだろう。

『PAIN』のレコーディング映像

1999年12月7日にNHK衛星第2で放送された「スーパースターライブ/中島みゆき・夜会の冒険」の中で『PAIN』のレコーディング風景が映っている。

中島みゆきのレコーディングは「同時録音」という形態をとっている。

通常レコーディングというものは、別録りした音を1つ1つ重ねていき曲を仕上げていくのだが、中島みゆきの場合、オーケストラを集め、歌と演奏を同時に一発録りしているのだ。

インタビューの中で瀬尾一三はこのように語っている。

「ふつうならビビりますよね。
 失敗したらどうしようとか思いますよね。
 子憎たらしいほど上手く歌いますよ。
 燃えるみたいですね。
 彼女(中島みゆき)はどこにいてもビクともしませんね、腹が立つほど(笑)」

『PAIN』のレコーディングは1999年7月28日に行われた。

防音のために中島みゆきだけはブースの中に1人だけ入りマイクの前に立つ。

とはいえ、ガラス越しに大勢のオーケストラ勢を前にしている。

指揮者はこの曲のアレンジを務めているDavid Campbellだ。

中島みゆきが同時録音でレコーディングする理由

中島みゆきの歌はテイクごとに変化していく。

歌はナマモノ。

だからこそ、演奏と呼応するような関係が望ましいのだ。

中島みゆきは1995年の「FMSTATION」11月20日号の中で、オーケストラについてこのように語っている。

「(歌い手の)息を吸うタイミングをちゃんと聴いてて、どう歌おうとしているかを聴いて、次の音を出す準備をしている」

また、同時録音の魅力を中島みゆきは、1996年の「FMSTATION」11月20日号の中でこのように語っている。

「それぞれが影響し合って、音楽はどんどん発生していくものだと思うから。
 完成されたオケにと歌とでは影響し合わないわけでしょ」

「笑え雨よ」の意味

日本語の歌詞だけだと、本来の意味とは全く違う意味で取られる場合がある。

そのため、中島みゆきのCDアルバムには1996年の『パラダイス・カフェ』から英訳歌詞がつくようになった。

『PAIN』において大きく誤解を生みそうな歌詞は以下の部分だろう。

「歌え雨よ 笑え雨よ
 救いのない人の 愚かさを
 歌え雨よ 笑え雨よ
 限りのない 人の哀しさを」

聴き方によっては救いのない人をさらに貶めるかのようにも取れるが、この「笑え」というのは見下すような笑いではない。

英訳の歌詞をみると、それが一目瞭然だ。

英訳カードには、

「Smile at us gently, rain」

とある。

これを直訳すると、

「私たちに優しく微笑んでくれ、雨よ」

という意味になる。

『PAIN』のみんなの感想

『PAIN』はこんな時に聴こう

容赦なく傷つき汚れてしまった時は『PAIN』を聴こう。

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中島みゆきが好きで、人よりちょっと詳しいだけが取り柄の人間やってます。