アルバム

中島みゆきのアルバム『CONTRALTO』の曲解説&みんなの感想

自画像

2020年1月8日に発売されたオリジナルアルバム
『CONTRALTO』
について、みんなの感想や雑誌『ダ・ヴィンチ』での対談記事を交えながら見ていくぞ。

アルバム『CONTRALTO』について

 

『CONTRALTO』(レコチョク試聴あり)

CONTRALTOとは?

「CONTRALTO」と書いて「コントラアルト」と読む。

女性の声域のひとつで、テノールよりも高く、ソプラノより低い声域。

この「コントラアルト」が中島みゆきの音域なのだそう。

初め、自分の音域を「テノールのちょっと上くらいと」説明していた中島だが、「コントラアルト」というバシッと自身の音域を表すコトバに出会ったのだ。

本人曰く、「このタイトルは自分のこと」だそう。

特徴

10曲中、4曲がドラマ『やすらぎの刻~道』の主題歌で。やすらぎ色の強いアルバムとなっている。

『CONTRALTO』のみんなの感想

収録曲

『終り初物』

『終り初物』(レコチョク試聴あり)

「おわりはつもの」と読む。

野菜や果物を多く出回る時期を過ぎてから成熟したものを初物と同じように珍重して言ったコトバ。

ドラマ『やすらぎの刻~道』の主題歌。

ドラマの台本をだいぶ前にもらっていた中島は、頭の隅におきながらアルバム制作を行っていた。

アレンジャーの瀬尾一三は、おそらく『終り初物』はドラマの世界観を広げて書いたものだろう、とラジオ番組『J-POP LEGEND FORUM』の中で語っている。

最初に主題歌として決まった曲は『離郷の歌』『進化樹』だが、その後、『観音橋』『終り初物』が加えられている。

歌詞の内容

遠い国へゆくひとり娘のあの子。

見送りには行かず、代わりに終り初物を詩集を添えて送る。

別れを嘆かず祝う気持ちを「終り初物」に託している。

『おはよう』

『おはよう』(レコチョク試聴あり)

このアルバムの楽曲にはそれぞれ英訳が施されている。

この曲には最初「good morning」と英訳があてられたが、それは中島みゆきの意図するものではなかった。

起きた人が自分で「おはよう」と言うのではなく、寝ている人を起こしたときに声をかける「おはよう」という意味で、その後、「wake up」に改められた。

英訳しなければ色んな解釈ができてしまう「おはよう」。

中島は、自分の曲は写実的でないものが多く、いかように取れてしまうと語る。

だが、そこは嫁に出した子みたいなもの。

聴き手に委ねているという。

川谷絵音による考察

ゲスの極み乙女。のボーカル川谷絵音が、『日経エンタテインメント』の中で『おはよう』について感想を述べている。

「おはよう」と繰り返しながらも徐々に何かが終わっていく切なさと怖さが同居したメロディ。

こんな悲しい「おはよう」を今まで聞いたことがない。

まるで泣きながら全力で走っているような曲。

と、のこと。

『ルチル(Rutile Quartz)』

『ルチル(Rutile Quartz)』(レコチョク試聴あり)

風水に使われるパワーストーン。

中に鉱物が入っている水晶で富と愛を表すそう。

アレンジャーの瀬尾一三は宝石のことにはてんで疎く、中島みゆきに「コレ何?」と訊いたところ、「コレよ」と手首につけたルチルを見せつけられたという。

中島みゆきご愛用だった。

彼女、幼少の時から鉱物系は好きで、標本やらウットリ見ていられる人らしい。

対談相手の糸井重里がすこぶるお気に入りの
「水の石の中のささやかな真実」
という歌詞。

翻訳家はこれを英語に直すのにたいそう頭を痛めたそう。

「水晶って書けばいいじゃん」
というのが中島の一応の答えであるが。

『歌うことが許されなければ』

『歌うことが許されなければ』(レコチョク試聴あり)

国を追われた難民の人たちの歌。

難民問題が世の中に浮上し始めた頃から作り始めていたというこの曲。

国を追われて難民キャンプに入って、自国のコトバで歌が歌えない状況を歌っている。

難民を意識しつつも、歌い手としての自分に重なる部分をも歌に落とし込んでいる。

本人曰はく、「他人事だけでは歌にはならない」とのこと。

アレンジャーの瀬尾一三曰く、楽器は中近東のものを使用していて、世界観が限定せずに歌が漂い行き場所を探す感じを出したという。

難民の言語問題

「難民」とは、戦争や内戦で暮らしを追われ他の国に逃れた人たちのことを指す。

難民キャンプで働くボランティアは、必ずしも難民の話す言語に通じているというワケではない。

公用語である英語や身振り手振りでなんとか意思疎通を図っているのだそう。

『齢寿天任せ』

『齢寿天任せ』(レコチョク試聴あり)

「よわいことぶきそらまかせ」と読む。

本人曰く、「ファン層が高齢化していることもあって共感いただける内容」というこの曲。

「めでたさもかなさしさも手に負えぬ天任せ」
と、寿命に対する人間の不可抗力を歌っている。

結局は天が決めることだよね、と。

アウトロの音は雅楽で使わている管楽器「笙(しょう)」

中島みゆきの「和テイストにしたい」というリクエストにアレンジャーの瀬尾一三が応えたもの。

編曲を担当した瀬尾一三によると、『糸』にもこの「笙」が使われているそうな。

他にも大太鼓を使うなどして、「和」を前面に押し出している。

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『観音橋』

『観音橋』(レコチョク試聴あり)

ドラマ『やすらぎの刻~道』の主題歌。

レコーディング中に脚本家の倉本聰がドラマに使える曲はないだろうかとやってきて、耳にとまった曲だという。

中島は、この曲の完成には「熟成期間が長かった」と語っている。

「何十年」という言葉を使っている。

その間、歌詞を変えるところもあったようだが、一方で全く手を加えなかったとこもある。

その1つが「グスベリ」という歌詞。

中島みゆきの故郷北海道では、馴染みのある植物なんだとか。

「グースーベリー」とも呼び、直径8mm~10mmの実をつける果樹で、ブドウのような甘酸っぱい味わいがあるらしい。

歌詞の内容

「観音橋」を土地と土地を繋ぐ象徴としてではなく、橋のむこうとこちらを隔てる障壁のように描いている。

あちらとこちらに住む人々が分かり合えない図式があって、「おつかい坊主」「娘」「手伝いばぁや」など具体的な個人のストーリーに落とし込んでいる。

まるで一篇の日本童話を紡いでいるような曲。

『自画像』

『自画像』(レコチョク試聴あり)

「中島みゆき=コントラアルト」

このアルバムのコンセプトにより加えられた曲が『自画像』

中島みゆきが自分を見つめて描写したまさに歌の自画像。

「逃げ足いちばん ど忘れ にばん」

この歌詞の「ど忘れ」はよくコンサートで歌詞が飛んでしまう彼女のこと。

「エゴイストなだけの女」
「デリカシーに欠ける女」

散々な言いように、アレンジャーの瀬尾一三は「それほどでもないだろ」と歌の自画像と中島本人の間にズレを感じていたという。

最後のガラスが割れる効果音はアレンジャー瀬尾一三のアイディア。

『タグ・ボート(Tug・Boat)』

『タグ・ボート(Tug・Boat)』(レコチョク試聴あり)

アレンジャーの瀬尾一三曰く、「日の当たらない人に日を当てる」という中島みゆきの曲に多く見られる視点。

『地上の星』もこの手である。

歌詞の内容

タイトルにもなっている「タグ・ボート」とは大型の船舶を押したり引いたりして着岸・離岸の補助をする小型船のことだ。

大きな船の甲板の上の客たちは、甲板の上に見える美しい水平線に目を奪われるだけで、甲板の下で汚れながら働くタグ・ボートには誰も目を向けない。

だがタグ・ボートは卑屈になることなく今日も上機嫌に持ち場へと帰っていくのだった。

『離郷の歌』

『離郷の歌』(レコチョク試聴あり)

ドラマ『やすらぎの刻~道』の第14話からの主題歌。

46作目のシングル曲。

『進化樹』と両A面で2019年9月25日に発売された。

主題歌を書く時は必ず脚本に目を通す中島。

今回、この『やすらぎの刻~道』は1年に渡るボリュームなので読みこなすのに大変だったという。

だが、そのかいあって脚本家・倉本聰を満足させる曲が仕上がった。

「また一歩僕より先に行ってくれた感じがしました。
 やっぱり、やっぱり中島みゆきは天才です」

と天才に天才と称された中島であった。

『進化樹』

『進化樹』(レコチョク試聴あり)

ドラマ『やすらぎの刻~道』の第9話からの主題歌。

2019年9月25日に発売された46作目のシングル曲。

『離郷の歌』と両A面で2019年9月25日に発売された。

前作のドラマ『やすらぎの郷』の台本の裏表紙には脚本家・倉本聰の描いた土に根ざす樹木の絵と、「樹は根に拠って立つ されど 根は人の目に触れず」という言葉が書かれている。

これが中島みゆきにインスピレーションを与え『進化樹』は生まれた。

イントロにも注目

「イントロは曲の方向性を決定づける大事な要素」

こう語るのはアレンジャー瀬尾一三

特に主題歌のイントロとなると、そのドラマや映画の世界観を印象づけるものになるので神経を使うらしい。

普段イントロ部分を手掛けるのは瀬尾だが、この『進化樹』については中島みゆきが譜面に書いて持ってきたメロディを採用している。

瀬尾はそれを少し膨らませた形。

『進化樹』はイントロから中島みゆきを感じて欲しい。

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