2010年10月13日に発売された37作目のアルバムに収録されている
『雪傘』
をみていこう。
中島みゆき『雪傘』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三・小林信吾
収録アルバム
『真夜中の動物園』
2020年10月13日に発売された37作目のオリジナルアルバム。
『ハリネズミだって恋をする』『サメの歌』『ごまめの歯ぎしり』『鷹の歌』など動物をモチーフにした楽曲が集ったアルバムとなっている。
『雪傘』はアルバムのコンセプトから外れたボーナストラックとして11曲目に収録されている。

工藤静香に提供された曲
『雪傘』は工藤静香のために書き下ろされた曲。
2008年11月5日に工藤静香の『雪傘』は『NIGHT WING』と両A面シングルでリリースされている。
『雪傘』『NIGHT WING』いずれも中島みゆきによる作詞・作曲。
編曲も同じ瀬尾一三
工藤静香の『雪傘』も中島みゆきの『雪傘』も、いずれも瀬尾一三がアレンジを手掛けている。
だが、中島みゆきの方は、瀬尾一三と小林信吾の共同による。
「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」で紹介された中島みゆきの手紙
工藤静香は2008年10月13日にフジテレビ系音楽番組「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」に出演し、この曲についてのエピソードを語っている。
今回の曲提供について工藤静香は、「書いてもらえると思わなかった」とその喜びを語っている。
工藤静香と中島みゆきとの出会いは17歳の頃。
1988年の『MUGO・ん…色っぽい』以来、数多くの楽曲を中島みゆきから提供を受けているが、その多くは「作詞・中島みゆき 作曲・後藤次利」というコンビでプロデュースされたもの。
作詞・作曲ともに中島みゆきというのは、1996年にリリースされた『激情』からで、数としては少ない。
『雪傘』はそんな貴重な曲の1つなのである。


中島みゆきから売り込んだ
工藤静香は中島みゆきの大ファンで、コンサートには必ず足を運び、ちょくちょく対面することもあるのだが、好きなあまりに余計なことが話せないという。
「「すごい好きなんです」とも言えないし、日常のちょっとした会話もこっちから発信できないの。
「どこどこ行くの好きなんですか?」とかくだらない話がいっさいできないの」
そんな工藤の遠慮を見透かしてか、新曲の打ち合わせにやってきた中島みゆきは、当初1曲しか書かない予定だったのをもう1曲提供したいと自ら売り込んだ(この売り込んだ方が『雪傘』か『NIGHT WING』かは不明)。
中島みゆきからのお手紙
そんな工藤静香に宛てて中島みゆきから手紙が届いたので、それを中村仁美アナが代読する。
真っ白で何の装飾もない封筒。
まだ誰の目にも触れていないその手紙を、中村アナが慎重にハサミで封を切って取り出す。
以下のことが書かれていた。
「工藤静香様
この度は新曲のお話をいただき、ありがとうございました。
きっと素敵に歌ってくださるに違いないと、確信しながらお渡しいたしましたが、出来上がりは、さすが、予想を超えた深い味わいが込められてて、うなって聴いております。
あの打ち合わせの日は、スケジュール的に1曲だけでお願いしますと申し上げるつもりだったはずなのに、貴女様の、目尻タレまくりの御尊顔を拝するうちに、ありがたさ極まって、なんだかワケわかんないうちに私から、2曲どうっすかねと売り込んでおりました。
毎度ありがとうございます。
あとはよろしくお願いいたします。
歌詞まちがってもいいですよ。
中島みゆき」
これに対し、司会のダウンタウン松本人志は、「ホントに歌詞間違ったらブチ切れするんでしょうけど」とツッコミを入れている。
歌詞解釈
しんしんと降る雪の音を聴きながら女は、静かに別れを心に決める。
相手の男に誕生日を祝ってもらえる優しい女が出来たことを祝福しながら、自分は男の記憶の中から消えようとする。
「思い出全部アリガト」
と感謝の気持ちを告げて、去っていくのである。
「「Happy Birthday」
今日を祝う人が居てくれるのなら 安心できるわ
いつまで1人ずつなんて良くないことだわ 心配したのよ
雪傘の柄に指を添えて
ゆく時を聞いている」
『雪傘』のみんなの感想
↓中島みゆきさんの隠喩の秀逸さは例を上げればキリがない。
【私が好きな隠喩例の一つ】
「雪傘」の詞は切ないが、下記部分の隠喩に泣かされる「足跡消しながら後ずさる 雪の上逃げる小ギツネみたいに
小枝の代わりに嘘を抱いて 思い出消しながら遠ざかりましょう」https://t.co/XErnQflY78— Shige Kobayashi (@kobashige) April 3, 2019
「からかわないでエラそうに」とか「雪傘」の「アリガト」とかはカタカナにする意味が全然分からないし変だけど中島みゆきだと何かしらトリッキーな意味があるのかもしれないと思ってしまう。
— オーバードズ子 (@shun_pnd) December 9, 2016
寒くなってきたなぁ。中島みゆき様は冬が似合うね。ということで、「雪傘」を聴いている。いーなーー
— らと (@weloveurara) November 8, 2015
中島みゆきの「雪傘」の良さに気づいた。恋人が別れるのではなく、夫婦が別れる歌なんだね。結婚すらしたことない自分には「思い出全部ありがとう」と言えるか想像もつかない。
— 2020iga (@20iga) April 20, 2011
中島みゆき「雪傘」「愛だけを残せ」の懐の深さ。巷には表層的な音しか出回っていないから、やたら胸に沁みてくる。
— しもしん (@jlgodard04) December 11, 2010
『雪傘』はこんな時に聴こう
仏のような面持ちで相手と別れたいときに『雪傘』を聴こう。
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