1980年4月5日に発売された7作目のアルバムに収録されている
『異国』
をみていこう。
中島みゆき『異国』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 後藤次利・中島みゆき
収録アルバム
『生きていてもいいですか』
1980年4月5日に発売された7作目のオリジナルアルバム。
『うらみ・ます』『エレーン』など中島みゆきの楽曲の中でもひと際暗い楽曲たちが集ったアルバムに仕上がっている。
『異国』はこのアルバムのラストを飾っていて、これもたいがい聴く前に覚悟を要する曲である。
このラインナップで聴く『蕎麦屋』が軽いタッチに感じられるから不思議。

『異国』への中島みゆきの思い
1980年10月23日に行われた中島みゆきと詩人・谷川俊太郎との対談で、『異国』について触れられている。
「あなたの歌で、どこにも故郷がないというようなことを歌ったのがあるでしょう。
北海道は故郷じゃないの?」
谷川俊太郎のこの質問は、『異国』の中にある、
「くにはどこかときかれるたびに
まだありませんと うつむく」
というこの歌詞のことだと思われる。
去る町に冷たくあしらわれ「ふるさと」と呼べる場所を失った悲しい女の歌だ。
「故郷ってものの定義の仕方は人それぞれあるでしょうけどね。
あたしはまだ、それがはっきりわかんなくて」
1976年4月30日付の「東京スポーツ」のインタビューでは、
「ふるさとなんてどこにもない。
でも、五つの時から十一まで住んだ岩内の”赤灯台”とそこから見た日本海の荒波は強烈に覚えているワ」
と答えている。
5才から11才を岩内で過ごした後の中島みゆきは、こすぎじゅんいち著書『魔女伝説|中島みゆき』によると、小学校6年で帯広、中学3年で山形、高校がまた帯広、大学が札幌という風に、多感な時期に住む場所を転々とした。
対談時の中島みゆきは、まだ北海道在住で仕事のために上京するという暮らしを送っていた。
だが、笑福亭鶴瓶の対談でも明かしているが、北海道にずっと暮らし続けたいというこだわりがあるわけでもなく、谷川との対談でも、
「これから先どこに住むかは、まるでわかんないわ」
とも述べている。
「はたしてその場所がね、あたしを受け入れようとしてくれるかどうか、どうもあやしいもんだと、そういう不安があるのね」
その心の内は『異国』の歌詞そのものだ。
なお、こちらの対談の模様は新潮文庫から出版されている『中島みゆき ミラクル・アイランド』に収められている。


『北の国から』に登場した『異国』
フジテレビ系ドラマ『北の国から』の中で五郎(田中邦衛)の幼馴染のみどり(林美智子)が『異国』の
「忘れたふりを装いながらも
靴をぬぐ場所があけてあるふるさと」
という歌詞を引用して「たまんないわね」「中島みゆきって何歳だろう?」ともらすシーンがある。
さらに、1983年『北の国から’83冬』で、このみどりは、博奕にハマってできた借金を五郎に背負わせたことによち、故郷を追われてしまう。
そのシーンで劇中歌として流れたのが『異国』。
この歌を地で行くみどりであった。
カバーしたアーティスト
BEBE
ギター弾き語りで儚げな声で歌い上げられたBEBEの『異国』は、世界観をそのまま踏襲している。
この曲はアルバム『中島みゆき 弾き語り』に収録されていて、『悪女』『世情』『糸』など全9曲の中島みゆきの楽曲が弾き語りでカバーされている。
『異国』のみんなの感想
中島みゆきの エレーン~異国 は、いわば二人の あたし の別の視点からの物語。暗いとか重いとかの言葉で片づけるのは失礼な、見事な構成力だ。知らんけど
— AntonioBodoni (@AntonioHelveti1) November 13, 2020
中島みゆきの「異国」っていう曲と「空がある限り」という曲の歌詞の、正反対なこと言ってるようで一周回って同じことを言ってる感サイコーだよな。
— すぎさく (@mindjoker) November 2, 2020
「蕎麦屋」が聴きたくて、中島みゆきのアルバム「生きていてもいいですか」をエンドレスで流しているのに、何故か意識が止まるのは「うらみ・ます」と「異国」。中間が抜ける。謎。
— 南ツカサ (@kaztok3) October 28, 2020
いつか私がしんでも葬式とか別にしなくて良いんだけどもしするとしたら中島みゆきの「異国」あたり流してほしい(嫌がらせかよ)
— 🍎🚇🍊11/3E08a (@7_graces) September 12, 2020
中島みゆきだとうらみ・ます、異国、命の別名が好き。
根が暗いのか奈落の底に落ちたような曲が好きなんだよね、昔から。笑
— RUMIKO💙 (@omen_dix) September 6, 2020
『異国』はこんな時に歌おう
故郷へ帰れなくなった理由を問われたら、答える代わりに『異国』を歌ってあげよう。
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