1995年の中島みゆきのアルバム曲『思い出させてあげる』
「夜会Vol.6 シャングリラ」のために書き下ろされたこの曲は、どんな場面で歌われたのだろうか。
また、レコーディングの時には見舞われた思わぬハプニングについてもみていこう。
この記事は、
- 『思い出させてあげる』が歌われた「夜会Vol.6 シャングリラ」のシーン
- 『思い出させてあげる』につきまとう停電
について書いてます!
中島みゆき『思い出させてあげる』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
「夜会Vol.6 シャングリラ」から生まれた曲
『思い出させてあげる』は、1994年に上演された「夜会Vol.6 シャングリラ」のために書き下ろされた曲だ。
自分の母親になりすまして資産家へ嫁いでいった女。
主人公メイは、親の敵討ちのために、その女の住む豪邸へとメイドに扮して潜入する。
初めは友好的な顔で取り入るが、やがて裏の顔をあらわにして女を陥れようとする。
その豹変するタイミングで歌われたのが、この『思い出させてあげる』なのだ。
思い出させてあげよう忘れていたあの日のこと
思い出させてあげよう忘れていた誰かのこと
（『思い出させてあげよう』より）
曲は、途中、転調して穏やかな旋律に様変わりする。
この部分の歌詞は、物語の核心をおぼろげに伝えている。
思い出の中で人はいつまでも変わらない
もしも急に会えたとしても誰とは信じられないでしょう
（『思い出させてあげよう』より）
『思い出させてあげる』につきまとう停電
1995年「月刊カドカワ」12月号のインタビューの中で、レコーディング時のハプニングについて語っている。
「『思い出させてあげる』って曲の作業になると、必ず停電なのよ」
この曲を歌うシーンでは、停電の演出が施されていたが、それは舞台だけに留まらなかった。
「夜会VOL.6 シャングリラ」のビデオ映像を撮影している時には、光量を使いすぎてしまい停電が発生。
また、ロケが終わった後に、軽井沢のスタジオで音の作業に入っていた時にも、落雷で停電。
さらには、東京でのアルバム『10 WINGS』の制作で『思い出させてあげる』を手掛けていた時にも、また停電。
「軽井沢のスタジオに落雷したのは、あそこは山だし分かるけど、東京でもあの曲になると飛んだのは、それ何故?」
中島みゆきは、思わず首をかしげてしまったようだ。
『思い出させてあげる』はこんな曲
激しい恨みを募らせた歌声が、途中、転調し穏やかな声に様変わりする。
忌まわしい思い出と美しい思い出の間で揺れ動く思いが描かれている。
思い出の中で人はいつまでも変わらない
いつか急に会えたとしても誰とは信じられない
思い出させてあげよう忘れ捨てたあの日のこと
（『思い出させてあげる』より）
『思い出させてあげる』のみんなの感想
中島みゆきの「思い出させてあげる」という曲は「夜会 シャングリ・ラ」を観ていないと意味が分からない。結構深い。
— 湯茶ぽん🍵 (@yucyaka1970) May 30, 2020
思い出させてあげる、が一番好きだったな〜
気になって後で曲名調べたしね
中島みゆきは声質的にも恨み節っぽい雰囲気の曲が似合ってる感じがして好き💕— 市河葵@参列済 (@aoi66990363) December 5, 2017
昨日寝る前に友達に歌ってもらった子守唄が中島みゆきの「思い出させてあげる」だったせいで陰鬱な一日だ
— PEKO@通販発送9/30〜 (@ab_peko) November 4, 2015
本人映像
『夜会VOL.6 シャングリラ』
1994年上演。母親を騙し大富豪のもとへ嫁いでいった女の居所を突き止めたメイ。
メイドを装い女が暮らすシャングリラへと乗り込んでいく。
「夜会」初の完全オリジナルストーリー。
『夜会の軌跡 1989〜2002』
1989年から2002年までの「夜会」の軌跡を追った総集編。
【収録曲】
『二隻の舟』『ふたりは』『キツネ狩りの歌～わかれうた～ひとり上手』『砂の船』『まつりばやし』『黄砂に吹かれて～思い出させてあげる』『紅い河』『あなたの言葉がわからない』『白菊』『ツンドラ・バード～陽紡ぎ唄～朱色の花を抱きしめて』『六花』『街路樹』『氷脈』『記憶』
『思い出させてあげる』をフルで聴く方法
単品購入
収録アルバム
『10 WINGS』
1995年リリースのオリジナルアルバム。
- 「夜会」のテーマ曲『二隻の舟』のリメイク
- パナソニック「ブレンビー」のCMソング『Maybe』のリメイク
- 世良公則とのデュエット『ふたりは』
を含む全10曲。
【収録曲】
『二隻の舟』『思い出させてあげる』『泣かないでアマテラス』『Maybe』『ふたりは』『DIAMOND CAGE』『I love him』『子守歌』『生きてゆくおまえ』『人待ち歌』
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