中島みゆき『怜子』は誰の視点から歌われているのか?|歌詞の意味

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1978年4月10日に発売された4作目のアルバムに収録されている
『怜子』
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中島みゆき『怜子』

 

『怜子』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 吉野金次

収録アルバム

『愛していると云ってくれ』

『愛していると云ってくれ』(レコチョク試聴あり)

1978年4月10日に発売された4作目のオリジナルアルバム。

中島みゆき初のオリコン1位を獲得したシングル曲『わかれうた』や、ドラマ『3年B組金八先生』第2シリーズの挿入歌として流れ話題になった『世情』、実在する喫茶店のマスターをモデルにした『ミルク32』、朗読詩『元気ですか』、多くのアーティストにカバーされている『化粧』など、名曲が詰まった全9曲。

『怜子』はこのアルバムの2曲目に収録されている。

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『いまのきもち』

『いまのきもち』(レコチョク試聴あり)

2004年11月17日に発売された32作目のアルバム。

相棒・瀬尾一三と出会う前の楽曲たちが、瀬尾一三のアレンジによってセルフリメイクされた。

デビューアルバムに収録されていた『あぶな坂』からヒット曲『わかれうた』『横恋慕』、国語の教科書に歌詞が掲載された『傾斜』などを含む13曲。

3曲目に収録されている『怜子』は、オリジナルとは違い、穏やかな声で歌われている。

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ミュージシャン泣かせの『怜子』

1991年『月刊カドカワ』11月号の中で中島みゆきは『怜子』がミュージシャン泣かせの曲であると語っている。

というのも『怜子』は出だしが「れ~い~こ~」という歌声のみのところへ、伴奏が入ってくる特異な型のイントロの曲だからだ。

伴奏が入るタイミングを掴むのが大変骨が折れたようで、ドラムのつのだひろがスティックを持って真剣な目で出だしを窺っていたというエピソードが語られている。

麗子像にまさかの『怜子』

2019年に山口県立美術館で開催された『没後90年記念 岸田劉生展 孤高なる絵画への道』

こちらのテレビCM曲に『怜子』が起用された。

え?なぜ?とお思いの方もいるだろうが、思い出して頂きたい、岸田劉生の代表作を。

そう、彼の長女をモデルにした『麗子像』

同じ「れいこ」繋がりでこのようなコラボが実現したのである。

なおこのCMは、地方発のローカルCMを対象にした『ぐろ~かるCM大賞』で、180のノミネート作品を押さえて大賞を勝ち取っている。

CMの内容

どこかの学校のお昼時間。

チャイムの合図と共に女の子が「あ~お腹すいた~」と弁当の蓋を開けた。

が、ハッとすぐに蓋を閉める。

隣の友人が怪しんでその蓋を再び強引に開けると、なんと弁当箱の中身は「麗子」のキャラ弁だった。

オチと同時に中島みゆきの『怜子』が流れる。

「怜子 いい女になったね」

『怜子』は誰の視点から歌われているのだろうか?【歌詞の意味】

『怜子』の歌詞についてよく論じられることといえば、いったいこの曲は誰の視点で歌われているのか?ということである。

佐田玲子がモデル?

一説では、「怜子」とはさだまさしの妹・佐田玲子がモデルになっているのでは?と言われている。

確かに「怜子」「玲子」は字づらがそっくりだし、中島みゆきが1989年に佐田玲子に『くらやみ乙女』という曲を提供しているといういちおうの繋がりはある。

だが決め手になる根拠に乏しい。

プライベートな誰かをモデルにした曲と考えるのは避けた方がいいかもしれない。

新婦の父親の視点?

新婦の父親の視点で歌われているのでは?という説もある。

つまり歌詞に登場する「怜子」というのはこれから嫁ごうとする花嫁で、この場合「私」というのは花嫁の父親ということになる。

確かにしっくりくる。

「ひとの不幸を 祈るようにだけは
 なりたくないと願ってきたが
 今夜 おまえの幸せぶりが
 風に追われる 私の胸に痛すぎる」

という歌詞は、溺愛してきた娘をよその男のもとへ手放したくないという父親の心理をよく表わしている。

「怜子 いい女になったね」

「怜子 みちがえるようになって」

という歌詞も、白無垢姿の娘に父親がかける常套句ではないだろうか。

なるほどよく出来た結婚ソングである。

結婚式の定番ソングといえば『糸』だが、これに『怜子』を加えてもらいたい。

それはさておき、この新婦とその父親という設定でいくと、若干、不自然なところが出てくることにも言及しておきたい。

それがこの歌詞、

「怜子 あいつは誰と居ても
 淋しそうな男だった
 おまえとならばあうんだね」

と、この部分。

この場合、「あいつ」というのは新郎のことになるが、「あいつは誰と居ても淋しそうな男だった」と言うためには、ある程度の長い観察期間が必要だ。

さらに言えば、新婦よりもその父親の方が、新郎のことに熟知してるようにも取れる。

明らかに不自然である。

となると、この線もナシか?

怜子の友人の視点?

新婦の父親でなければ怜子の友人ではないかという説が浮上してくる。

この場合、「私」というのは必然的に女性となる。

「あいつは誰と居ても淋しそうな男だった」

「怜子 ひとりで街も歩けない
 自信のない女だった」

と、「私」は怜子についても男についてもよく性格を知っている、つまり3人は友人の関係とみることができる。

この友人2人が晴れてつき合う(あるいは結婚?)するのだから、フツー喜んでしかるべきところだが、

「今夜 おまえの幸せぶりが
 風に追われる 私の胸に痛すぎる」

このように「私」はかなり参ってる状況なのである。

もう察しつくと思うが、これは失恋ソングである。

怜子がつきあってるその男というのは、「私」も密かに惚れてる男なのだ。

2人の幸せぶりを祝福しつつも心のどこかでそれを受け入れられずいる「私」の難しい心境が歌い込まれている。

カバーしたアーティスト

中村中

2015年『中島みゆきRESPECT LIVE『歌縁』(うたえにし)』の中で中村中『怜子』を歌っている。

心の叫びを塊ごとぶつけてくるような歌唱でオリジナルとはまた違う激しい情念を感じさせる。

中島みゆきのアルバム『愛していると云ってくれ』の曲順の通りに、『元気ですか』の朗読の後にこの曲が歌われている。

本人映像

『夜会VOL.6 シャングリラ』

1994年に上演された『夜会VOL.6 シャングリラ』

冒頭あたりで、どういう役柄なのか充分な説明がない状態で歌われた曲だが、タバコ吸ったり、『怜子』歌ったり、それだけで重い過去を引きずった人物設定なんだろうなと分かる。

『怜子』のみんなの感想

『怜子』はこんな時歌おう

披露宴の余興で「中島みゆき歌います!」『糸』を予感させておいて『怜子』を歌ってやろう。

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