1977年6月25日に発売された3作目のアルバムに収録されている
『店の名はライフ』
についてみていこう。
中島みゆき『店の名はライフ』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 吉野金次・福井峻
収録アルバム
『あ・り・が・と・う』
1977年6月25日に発売された3作目のオリジナルアルバム。
『ホームにて』や、亡き父親をモチーフにした曲『まつりばやし』、作家吉行淳之介との対談によって生まれたとされる『女なんてものに』などを含む全9曲。
『店の名はライフ』は、2曲目に収録されている。
なお、レコーディングには坂本龍一が参加している。

実在の店がモデルになった
タイトルにある「ライフ」は、北海道大学正門前に実在した喫茶店だ。
「店の名はライフ 自転車屋のとなり」
という歌詞の通り、店の隣には実際に自転車屋が存在していた。
当時、藤女子大の学生だった中島みゆきは、北大(北海道大学)のフォーク研究会に出入りして音楽活動をしていた。
そして、この店にもよく通い詰めていた常連客だったのである。
店員の話によると、普段は化粧けもなく地味な印象だったが、店が忙しくなるとさりげなく手伝ってくれる優しい子だったんだとか。
ちなみに、この頃、フォーク研究会で中島みゆきがいっしょにフォーク・グループを組んでいた前田重和は、『ミルク32』という曲に登場するマスターのモデルであり、いかにこの頃の日常が、その後の楽曲に反映されているかが分かる。

二枚目マスターと「ライフ」のその後
実在する店がモデルなのだから当然、歌の中に登場する人物も実在する。
「店の名はライフ いまや純喫茶
頭のきれそな 二枚目マスター」
この「マスター」のモデルになったのが東昇という人物。
東は、1974年に店主から喫茶店を任され、その後、店名を「ニューライフ」と変えて経営を続けていたが、次第に北大周辺に飲食店が増え、経営を圧迫したため、1991年にやむなく店を畳んだ。
東は、その翌年1992年から、札幌駅南口から近い地下1階の飲食店街に「味処あずま」という看板を掲げて再出発する。
うどんがメインの店だが、ここでの人気メニューは豚丼。
豚丼は、「ライフ」時代に東が加えたメニューを引き継いでいる。
もしかしたら、中島みゆきはこの頃、東の作った豚丼を食していたかもしれない。
なお、かつて「ライフ」が建っていたところは、マンションやホテルが建ち並んでいるという。
歌詞解釈
「自転車屋のとなり」
「三階は屋根裏」
「抜け道は左 安梯子」
など、垢ぬけない店の描写が、どこかノスタルジーを感じさせる。
そして、描写は店の中にいる人物にまで至る。
終電を逃したと店に居すわる輩だったり、二枚目マスター、母娘そろって見事な胸のおかみさんとその娘。
その娘の魅力に引き寄せられて入ってくる新人アルバイトは、見よう見まねでカレーを作ったりと、云々。
歌は、店と人物の描写のみに徹底しているのだが、それだけで物語性を帯びてくるから不思議。
「二階では徹夜で続く恋愛論」の二階って?
歌詞に、
「二階では徹夜で続く恋愛論」
とあって、この喫茶店の上の階はどんなとこなのだろう?と聴くたびに疑問だったが、調べたところ、「ライフ」は建物の二階で営業されていたようだ。
なので、恋愛論が繰り広げられたところというのは「ライフ」の店内ということになる。
『店の名はライフ』のみんなの感想
それはそれとして、映画『糸』もいいですがNHKドラマ『店の名はライフ』とかやってほしい。母娘の時代、二枚目マスターの時代の話が交互に描かれるホロッとするやつ。べ、べつに母娘でよく似て見事な胸を期待してるわけじゃないから!
— GEN-221B (@GEN_221B) January 15, 2021
中島みゆきの店の名はライフは、タイトルの通り、店の情景と人生が同時に語られていて、その刹那性と永遠性のバランスが良くて一番好きな曲
最初の部分
『店の名はライフ 自転車屋の隣 どんなに酔っても辿り着ける』
だけでも、色々な想像がふくらむ詩だと思う— 幽邃 Yusui (@Yusui07579536) January 5, 2021
店の名はライフを聴いてしまってから、中島みゆき嬢の歌、あれだけ好きな傾斜さえも、、どんな歌を聴いても響かなくなっている。
それくらい、オレには、ずどーん!ときてしまった。
それが基準になるから。
— kawaiiminamichan (@kawaiiminamich2) October 8, 2020
店の名はライフ おかみさんと娘
母娘でよく似て見事な胸🎵この部分は鮮明に覚えているな(・ัω・ั)
— ジュン (@k1225jp) July 1, 2020
中島みゆき「店の名はライフ」
なんかもう、ひたすら妖しい世界観。
この店に紛れ込んでしまうと深みに嵌まりそうで引き返せないんじゃないか……な怖さと妖しさ。— m_t_g@元六七六 (@m_t_g_chourou) April 13, 2020
『店の名はライフ』はこんな時に聴こう
クセのある喫茶店に行きたいけれど時間がない人はとりあえず『店の名はライフ』を聴こう。
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