1977年9月10日に発売された5作目のシングルのカップリング曲
『ホームにて』
をみていこう。
多くのドラマやCM曲にもなり多くの人に愛されたこの曲は、芸人の有吉弘行の思い出の曲である。
中島みゆき『ホームにて』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 福井峻
『わかれうた』のカップリング曲
『ホームにて』は1977年9月10日に発売されたシングル『わかれうた』のカップリング曲。
『わかれうた』は76万枚の大ヒットを記録している。

収録アルバム
『あ・り・が・と・う』
1977年6月25日に発売されたオリジナルアルバム。
『ホームにて』はシングルに先駆けてこちらのアルバムで発表されている。
亡き父を題材にした『まつりばやし』や『朝焼け』などを含む。
坂本龍一がキーボードで参加している。
『Singles』
1987年8月21日に発売されたシングルコレクションアルバム。
1975年のデビュー曲『アザミ嬢のララバイ』から1986年の『やまねこ』までのシングル(カップリング曲含む)計40曲を収録している。
『時代』『わかれうた』『悪女』などヒット曲を多く含んでいる。
『歌旅 ~中島みゆきコンサートツアー2007~』
『歌旅 ~中島みゆきコンサートツアー2007~』(レコチョク)
2008年6月11日に発売されたライブアルバム。
2007年12月18日~19日に東京国際フォーラムで行われた『歌旅 ~中島みゆきコンサートツアー2007~』の中で歌われた『ホームにて』が収められている。
他には『ファイト!』『誕生』『本日、未熟者』など名曲を含む。
『ここにいるよ』
2020年12月2日に発売されたベスト・アルバム。
新型コロナの感染拡大により中止された全国ツアーに代わって急遽、制作されたこのアルバムは、「エール」をコンセプトに全26曲がセレクトされた。
『時代』『糸』『空と君のあいだに』『ファイト!』『悪女』など、ステイホーム自粛で疲れた心を癒してくれる曲ばかり。
「エール盤」「寄り添い盤」の二枚組で、『ホームにて』は「エール盤」の方に収録されている。

タイアップ多数
『ホームにて』はカップリング曲でありながらA面の『わかれうた』よりも多くの映画&ドラマ&CMの主題歌(劇中歌)に使用されている。
ドラマの主題歌&劇中歌
『特捜最前線』
1979年12月5日にテレビ朝日系で放送されたドラマ『特捜最前線』。
第140回『ハナコ・少女売春の街!』の回の劇中歌で『ホームにて』が使われている。
『北の国から』
『やすらぎの郷』でもタッグを組んだ倉本聰。
その倉本作品の『北の国から』でも中島みゆきの作品は多く使われている。
1981年10月23日。
連続ドラマ第3話『決意』(1981年10月23日放送)の中で劇中歌として使われたのが『ホームにて』。
富良野の生活に馴染めない純(吉岡秀隆)が、おばの雪子(竹下景子)と東京へ戻ろうと決意する。
汽車に乗り込む前の喫茶店のシーンでこの曲が流されている。
土曜ワイド劇場『タクシードライバーの推理日誌スペシャル』
2009年4月11日にテレビ朝日系で放送されたドラマの劇中歌。
こちらは『歌旅 ~中島みゆきコンサートツアー2007~』に収録されているライブ版。
『同窓会~ラブ・アゲイン症候群』
亀村太一(六角精児)が営む居酒屋に宮沢朋美(黒木瞳)が立ち寄り話しているシーンで、店内に流れる曲という体で『ホームにて』がかけられている。
CMソング
『ふるさと行きの乗車券』
2009年から2012年までJR東日本が発売していた特別企画乗車券のラジオCMソング。
この乗車券は、年末年始に首都圏から東日本へ帰省する乗客をターゲットとした往復券で、『ホームにて』の歌詞にある「ふるさと行きの乗車券」を意識したもの。
『サントリーBOSS』
「宇宙人ジョーンズ・漁港」篇に『ホームにて』が使われている。
宇宙人ジョーンズ(トミー・リー・ジョーンズ)が東北の漁港へ出稼ぎにきたという設定。
トミー・リー・ジョーンズの他に光石研とゆきぽよが出演している。
この『サントリーBOSS』の宇宙人ジョーンズの地球調査シリーズCMでは、他にも『地上の星』『ヘッドライト・テールライト』『時代』『糸』など多くの中島みゆきの楽曲が使われている。
『ホームにて』に励まされた有名人
有吉弘行
2012年9月22日に放送されたテレビ朝日系『ナツメのオミミ』の中で有吉弘行が『ホームにて』への思い入れを語っている。
「竜兵会」のメンバーである有吉。
頭である上島竜平(ダチョウ倶楽部)がカラオケで泣きながら熱唱しているのがこの曲だった。
有吉もまた、画面に映る歌詞をみていくうちにすっかりこの曲に魅了されていったという。
有吉は、1992年にテレビ番組の企画に合格したのがきっかけでオール巨人に弟子入りした。
だが、その後、兄弟弟子と喧嘩しケガを負わせたことで、破門されてしまう。
夢挫折し、泣く泣く故郷の広島行きの電車に乗る惨めな自分と、この曲の主人公を重ねてしまうと語る。
また、同じく東京で芸人を目指していた弟が芽が出ずに故郷へ帰ることになった日。
有吉は東京駅のホームから見送った弟の背中にも、この曲を重ねたという。
手嶌葵
スタジオジブリの映画「ゲド戦記」で声優を務め、また、この映画の主題歌『テルーの唄』を発表した2007年は、傍からは、実りのある1年のように思えるが、手嶌葵はこの頃、不安の中にいた。
2020年2月15日号「週刊現代」の中で、コンサートで大勢を前に足がすくみ、音楽業界に馴染めずいたことを明かしている。
故郷の福岡に帰りたいという気持ちでいっぱいだった時に、手嶌は、『ホームにて』に出会った。
「まだこれからじゃないか。もう少し頑張ろう」
そう前向きになることができた。
それ以来、コンサートの合間や仕事が一つ終えた時などにこの曲を聴いて、心を癒しているという。
手嶌自身のコンサートでもこの曲をカバーして歌い続けていて、それが縁で中島みゆきと直に会ったこともあるんだとか。
パワフルな歌声からイメージしていたのとは違って、実物の中島みゆきは、「華奢で小柄でとても可愛らしい女性」と話す。
『ホームにて』の歌詞解釈
最終電車が発とうとしているホームの光景を歌っている。
駅長が乗車を促すなか、1人ホームに佇んでいる主人公。
ふるさと行きのその電車に乗るか乗るまいか迷っている。
事情については詳しくはされてないが、
「走りだせば 間に合うだろう
かざり荷物を ふり捨てて」
という歌詞から、主人公は街に未練があると思われる。
決断を迫られてる主人公とは裏腹に、一方でホームから見える車内の光景が対照的に描かれている。
「灯りともる
窓の中では 帰りびとが笑う」
カバーしたアーティスト
高畑充希
2015年1月4日にTBS系で放送されたドラマ『新春ドラマ特別企画 わが家』の主題歌に『ホームにて』を歌っている。
こちらは、尺八、ピアノ、チェロからなるトリオ・KOBUDO-古武道-とのコラボ。
「向井理演じる主人公の心の葛藤を表すかのような『ホームにて』を歌える澄んだ歌声と抜群の表現力」
とプロデューサーがオファした相手は女優の高畑充希。
高畑は曲の印象をこう語る。
「あったかくて優しくて、でもどこか寂しくて。
唄いながら私自身も思い出を彷徨っていたような印象です」
ちなみに、高畑はこのドラマには出演していない。
イントロの尺八、そして静かに入る歌声、ピアノ・チェロの全てが絶妙に絡み合い、情緒ある世界観を彩っている。
槇原敬之
『どんなときも。』がヒットする前の売れなかった頃、漠然とした不安の中にあった槇原敬之に友人が曲の入ったテープを送った。
その中に入っていた1曲が『ホームにて』。
「もっかいがんばろう」と励みにしたこの曲をアルバム『Listen To The Music 3』の中でカバーしている。
ちなみに槇原敬之は友人からのテープにあったもう1曲『誕生』にも救われている。
槇原敬之の『ホームにて』は東京駅のホームくらいを想像させる。

手嶌葵
ジブリ映画『ゲド戦記』の主題歌『テルーの唄』でおなじみの手嶌葵。
手嶌葵の『ホームにて』は、シンとした夜の静けさを思わせる歌声。
「灯りともる
窓の中では 帰りびとが笑う」
という歌詞の情景が闇に浮かびあがってきそうだ。
矢野まき
2015年に行われた『中島みゆき RESPECT LIVE 歌縁(うたえにし)』に参加した矢野まき。
このライブで歌われている『ホームにて』はライブアルバム『「歌縁」(うたえにし)―中島みゆき RESPECT LIVE 2015―』に収録されている。
『ホームにて』のみんなの感想
中島みゆきで個人的に好きなのは「ホームにて」て曲。「振り向けば ドアは閉まる」なんて詞が凄く映像を喚起する。こういう情緒を曲にさせたら天下一品だと思う。 #中島みゆき
— ラリー・ル・レロ (@t27211) July 21, 2020
遠い故郷を思う時、中島みゆきさんの「ホームにて」を口ずさむ。
— まゆこ (@mayup3325) June 25, 2020
昔、付き合ってた、おねーちゃんが
中島みゆきがすきで、さんざん
聴かられましたよ
彼女は、ホームにて、が
大好きでしたよ、彼女曰く
中島みゆきは、北海道出身なのに
北海道らしい歌がないのよ
この、曲は唯一、北海道を連想する曲なんたってさ、昔の急行、八甲田
知ってるかなぁ?— ぼこにゃん (@hanedaei) June 12, 2020
なんか頭の中で中島みゆきのホームにてが流れるんだけどw
疲れてんのかな。いい歌。
— YOSHIHA (@popo__005) May 6, 2020
#30DaySongChallenge
DAY13:A song you like from the 70s
「ホームにて/中島みゆき」
親が好きで車の中で流してた中島みゆき。この頃のやわらかい歌い方好き。上京してからこの歌詞がもっと好きになった。そんで、痛い。— ユミ (@yumi28282828) April 30, 2020
『ホームにて』はこんな人に聴いてほしい
事情あって故郷に帰れない人は『ホームにて』を聴こう。
『ホームにて』はサブスク(定額制)でも聴ける
2020年1月8日よりついにサブスクリプション(定額制)で中島みゆきの曲を聴けるようになった。
『Amazon Music Unlimited』に登録すれば、月額980円(プライム会員は月額780円)で中島みゆきのシングル曲(カップリング含む)が聴き放題。
(※1975年版『時代』、映画主題歌バージョン『瞬きもせず』は含まない)
もちろん中島みゆき以外のアーティスト曲も聴くことができる。
その数、6500万曲以上。
30日間の無料お試し期間があるので、ぜひ一度試していただきたい。
『Amazon Music Unlimited』の公式サイトはコチラ。
