『まつりばやし』に中島みゆきが込めた亡き父への思いとは?|「赤い花」の意味とは?

1977年6月25日に発売された3作目のアルバムに収録された
『まつりばやし』
をみていこう。

中島みゆき『まつりばやし』

 

『まつりばやし』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 福井峻

収録アルバム

『あ・り・が・と・う』

『あ・り・が・と・う』(レコチョク試聴あり)

1977年6月25日に発売された3作目のオリジナルアルバム。

『まつりばやし』の他に、後に『わかれうた』のカップリング曲としてシングルカットされる『ホームにて』や、桜田淳子に提供された『朝焼け』など含む。

レコーディングには坂本龍一が参加している。

ありがとう
坂本龍一もレコーディングに参加した中島みゆき『あ・り・が・と・う』|全曲解説&みんなの感想1977年6月25日に発売された3作目のオリジナルアルバム 『あ・り・が・と・う』 をみていこう。 中島みゆき『あ・り・が・と・う...

ベスト盤入り

既に廃盤だが、『中島みゆきBEST SELECTION II』というベストアルバムに『まつりばやし』は収録された過去がある。

『まつりばやし』は父親がモデル

『まつりばやし』は中島みゆきの父親がモチーフになっているとされている。

父親は、中島みゆきが『アザミ嬢のララバイ』でレコードデビューする、わずか1週間前に脳溢血で倒れた。

1978年・秋のツアーで中島みゆきは、『まつりばやし』の曲の前のMCで、

「明日起こることが見えたらいいね。
 あたしより先に死んじゃう人が見えたらいいね」

と述べた後で、2年前に亡くなった父親との最後について語っている。

「私ね、人前で泣くことが大嫌いだったの」

中島みゆきは、父親が亡くなった時ですら泣かなかった。

棺を載せた車が走り出しても泣かなかった。

雪降る中、荼毘に付された煙が上がっているのを見ても涙が出なかった。

生前父親は、中島みゆきに「年頃だから着物を着せてみたいもんだね」と言っていたという。

だが経済的に余裕がなく、皮肉にも父親の葬儀に初めて中島みゆきは着物を着たのである。

それは借り物の喪服だった。

そして、ギターの弾き語りで『まつりばやし』を歌う。

この曲の間奏に、父親が亡くなった日のことを語る。

中島みゆきの住んでいた町では、お祭りの間、各家の軒先に赤い花を飾る風習があった。

故郷、北海道は夏が短く、秋の祭りがくるころにはもう冷たい風が吹いていたので、朝はその赤い花に露がついていることがあったという。

いつものようにその年も祭りを迎えるものだと思っていた矢先、母親の悲鳴が上がった。

父親が脳溢血で倒れたのだ。

「もう2年も経つのにね、何もかもまだ夢みたいな気がするの。
もう1回眠って目を覚ませば、まだあの前の晩にいるようなね、誰も減ってなくて何にも変わってなくて、みんなそこにいるような気がするの」

父親は、そのまま昏睡状態に陥ってしまった。

医師からは「もう3日待って目が覚めなければ諦めて欲しい」と言われたが、その3日目がきたところで父親はとうとう目を覚まさなかった。

ちょうどその時、病院の外ではまつりばやしが見えていたんだそうな。

ツアーで秋の時期に全国を旅するのは、中島みゆきにとって辛い面もあるという。

「秋に旅するとね、どこに行ってもお祭りがあるの」

どこに行っても似たような光景で似たような音がそこにはあって、そして、浴衣を着た子供たちが走りすぎていく。

「でもその子たちにはみんな親がいるじゃない?
 そんなのばっかり見えるから……」

そして、曲の続きを涙で声を詰まらせながら歌うのである。

まつりばやしの歌詞解釈

「私」と「おまえ」が登場するが、具体的な関係は歌の中では明らかにされていない。

去年、「私」と「おまえ」は夏の終わりのまつりばやしを二階の窓にもたれて見ていたのだが、その1年後の今年は、ずいぶんと状況が変わってしまった。

まつりばやしの中で「私」は、「おまえ」の最後を知る。

通り過ぎてしまったまつりばやしを、「私」と「おまえ」の人生に重ねた、儚さを感じさせる歌になっている。

電話
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「赤い花」とは?

歌詞の中にある「もう 紅い花が 揺れても」という印象的なコトバだが、赤い花とは何を意味しているのか?

これは、祭りの日に各家庭の軒先に飾られる「軒花(のきばな)」と呼ばれるもの。

紙でできた花の飾りだが、中島みゆきの家でもこれを何日もかけてこさえたのだが、父親が倒れたことでそれどころではなくなり、無駄になってしまったのだ。

中島みゆきは世界で一番最初に、あの名曲『時代』を父親に歌って聴かせている。

父親については、下の記事にも書いているので興味あれば読んでいただきたい。

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本人動画

『夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふる ながめせし間に』

『夜会』の中で、はっぴ姿の中島みゆきが歌っている。

軒花とは形状が違うが色とりどりの飾り花に囲まれたところで静かに歌われていて、祭りのあとの寂しさを上手く表現している。

CMソング

『まつりばやし』は1992年に北海道拓殖銀行のCMソングとして流れた。

CMに出演したのは俳優の吉岡秀隆

誰かからの手紙を読み、遠く思いを馳せた吉岡に、浴衣姿で踊る女性たちの映像がオーバーラップし、「心はどこに閉まってありますか?」というナレーションが入る。

物語を感じさせるCMだ。

『まつりばやし』のみんなの感想

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中島みゆきファン歴30年以上 中島みゆきという人間や、曲にまつわるエピソードについて、資料を読み漁っています。