1983年3月5日に発売された10作目のアルバムに収録されている
『ばいばいどくおぶざべい』
をみていこう。
中島みゆき『ばいばいどくおぶざべい』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 中島みゆき
収録アルバム
『予感』
1983年3月5日に発売された10作目のオリジナルアルバム。
このアルバムは、この『ばいばいとくおぶざべい』を含む4曲が中島みゆきによる編曲である。
名曲『ファイト!』が初収録されたアルバムとして有名。

細野晴臣が参加
この曲は、ベースに細野晴臣を迎え入れている。
1977年の中島みゆきのアルバム『あ・り・が・と・う』のレコーディングに参加していた坂本龍一は、かねてから中島みゆきに細野晴臣に会うことを勧めていた。
そう、坂本龍一と細野晴臣といえば、ちょうどこの頃組んでYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)として活動していた。
1980年代初頭に巻き起こったテクノブームの代表的なグループとあって、1982年の「GB」5月号のインタビュー記事の中で中島みゆきは、
「ちょっと不安だったんです。
もしテクノになっちゃったら、困るなと思って(笑)」
と本音を漏らしている。

「どくおぶざべい」の意味とは?
このひらがなのみの独特のタイトルであるが、「どくおぶざべい」にバイバイしてるという構図はなんとなく理解できるものの、不可解なのは「どくおぶざべい」が一体何なのかということである。
これは英語に変換した方が分かりやすいだろう。
「どくおぶざべい」⇒「The Dock of the Bay」
これは、1960年代に活躍していたシンガー、オーティス・レディングの代表曲だ。
奇しくもこの曲を録音した3日後に、彼は飛行機事故で亡くなっている。
そんな曲の背景を中島みゆきは意識していたのだろうか。
『ばいばいどくおぶざべい』に登場する音楽に幕引きしなければならなくなったミュージシャンの姿とどこかリンクする。
また、歌詞に登場する「らいかろうりんすとうん」とはボブディランのヒット曲「Like a Rolling Stone」のこと。
いずれも歌詞カードにはひらがな表記である。
歌詞解釈
「この店」としか歌詞にはないがおそらく舞台はライブハウス。
主人公は左手に怪我を負った?男。
「おいらの左手 もうダメなんだってさ」
男はミュージシャンでギターがもう弾けなくなってしまったのだ。
もうステージに立つことはないだろうと自覚しているものの、心は叫ぶ、
「幕を引かないでくれ 明かりを消さないでくれ」
この男、自分から挨拶を切り出さないと客に思い出してもらえないとこから、クラブハウスの中でもパッとしない存在だったのだろう。
それと対照的に登場するのが、次の仕事が決まったという「ロックシンガー」。
自分とは正反対のそのロックシンガーに、男はリクエストするのだ、
「最後に歌っておくれよ 得意だったどくおぶざべい」
カバーしたアーティスト
上杉昇
父親の影響で中島みゆきを聴くようになったという元WANDSのボーカル・上杉昇。
2020年にリリースしたシングル『カワラコジキ』のカップリング曲では中島みゆきの『吹雪』をカバーし、また、ステージでも中島みゆきの楽曲を歌っている。
『ばいばいどくおぶざべい』は、2020年8月30日横浜O-SITEで行われたアコースティックライブの中で歌われている。

中山うり
iTunes Storeで披露したフリーダウンロード曲『月とラクダの夢を見た』が46,900件を記録した中山うり。
彼女の歌う『ばいばいどくおぶざべい』はジャズアレンジが加えられ、まったく原曲とは印象が異なっている。
肩の力を抜いて楽しめるソフトな歌声だ。
こちらは2007年のアルバム『DoReMiFa』に収録されている。
『ばいばいどくおぶざべい』のみんなの感想
細野晴臣のトリッキーなベースに最小手数で確実に突いてくる山木秀夫のドラムで悶えていた。中島みゆきのばいばいどくおぶざべい。油断してるとタマァ奪られる。
— aniki02 (@aniki02) October 21, 2020
そうそう、この曲が子供心にぞーっとしたのを思い出した。「ばいばいどくおぶざべい」http://www.youtube.com/watch?v=MBbtQDH93g0
— 川本恭一郎 (@mimpikodok) November 24, 2009
中島みゆきの最近の曲じゃなくて、「ばいばいどくおぶざべい」とか「ノスタルジア」みたいな
湿っぽい裏町の雰囲気が好き— 銀糸 レポ〆演習2/15科学史2/16 (@makkoukujirano2) January 9, 2019
久しぶりに ばいばいどくおぶざべい聴いた、中学のとき昔のカセットを貸してもらって、ずっと意味も分からんと聴いてたなぁ。どっく おぶ ざ べい。
— CōBōの本藍染藤妄 (@coboroom3012) December 7, 2014
一時、自分の葬儀では『ばいばいどくおぶざべい』を流して欲しいと思ってたw。
— 加藤 三葉 (@GMS4T1us75gaK2K) July 22, 2020
『ばいばいどくおぶざべい』はこんな時に聴こう
華々しい活躍の裏でくすぶっている人たちがいるんだということを思いながら『ばいばいどくおぶざべい』を聴こう。
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