中島みゆき『うらみ・ます』の裏話【試聴あり】|本当に泣いてた?|世間の解釈とのギャップ

失恋

1980年の中島みゆきのアルバム曲『うらみ・ます』

中島みゆき本人に「真っ暗けの極致」と言わしめたアルバム『生きていてもいいですか』の1曲。
アルバムの中でも、最も強烈な印象を人々に残した。
怨念の塊のようなこの曲だが、実は、中島みゆきが意図していたものと、世間との認識には大きなギャップがあったようだ。

レコーディングの様子から、この曲に魅了された鳥居みゆきや谷川俊太郎まで、色々みていこう。

この記事は、

  • 世間と認識のギャップがあった『うらみ・ます』
  • 『うらみ・ます』のレコーディング秘話
  • 『うらみ・ます』の「・」に魅了された有名人

について書いてます!

夢おじ子
夢おじ子
中島みゆきの曲を全て聴いてきたファン歴30年以上の夢おじ子が解説!

中島みゆき『うらみ・ます』


作詞・作曲 中島みゆき

編曲 後藤次利

編曲を手掛けているのは後藤次利
中島みゆきと、よく組んでベースやギターを演奏しているが、一方で作曲家としての顔も持つ。
作詞 中島みゆき/作曲 後藤次利のタッグで、工藤静香『FU-JI-TSU』『MUGO・ん…色っぽい』『黄砂に吹かれて』『慟哭』など提供している。

『うらみ・ます』は、これらの華やかな曲からは想像つかない仕上がりだ。

世間との認識のギャップ

うらみますうらみます
あんたのこと死ぬまで
(『うらみ・ます』より)

『うらみ・ます』は、フラれた女の心情を描いた曲だ。

ドアに爪で書いてゆくわやさしくされて唯うれしかったと
あんた誰と賭けていたのあたしの心はいくらだったの
(『うらみ・ます』より)

恐ろしいまでの情念に、背筋が凍った男たちは多かったようだ。
1991年「月刊カドカワ」11月号のインタビューで中島みゆきは、『うらみ・ます』が人々から思わぬ方に解釈されていたことを明かしている。

「当時、横溝正史シリーズが流行っていて、そっち方面に捉えた人が多かった」

「犬神家の一族」「八つ墓村」など、人間の抱える怨念をホラーチックに描いた横溝正史の小説は、1970年代に映画化され大ヒットした。
だが、中島みゆき本人は全くそのつもりはなかった。

「私の腹の底で思ってたものと受け取られたものが、まったく逆の意味だったのね」

別のインタビューで中島みゆきは、「自分を嘲笑っている曲」と語っている。

曲の解釈における世間との乖離は、やがて中島みゆきのライフワークである「夜会」へと繋がっていく。
アレンジや歌い方、シチュエーションを変えることで、適した伝え方を試みようとしたのである。
そういう考えに至らせた遠因の1つが、この『うらみ・ます』なのだ。

レコーディングは生演奏

一般的に、それぞれ別録りした楽器の音を重ねるようにして、レコーディングは進行していく。
だが、『うらみ・ます』は同時録音の形態を取っている
予め、大まかな流れを打ち合わせしておいて、一斉生演奏でのレコーディングだ。

ベースも担当していた後藤次利は、自分のパートのアレンジの譜面を書かないままスタジオに現れ、本番は即興で演奏していた
これも生演奏ならではの醍醐味である。

『うらみ・ます』が収録されているアルバム『生きていてもいいですか』は、実況中継で作ってみようという制作側のコンセプトがあったという。

歌いながら泣いていた?

「中島みゆき ミラクル・アイランド」(新潮文庫)の対談で、詩人・谷川俊太郎から、『うらみ・ます』について訊かれている。
谷川が気になっていたのは、この曲が泣きながら歌われていたのか?ということ。
声を震わせながら感情的に歌い上げている様子から、制作の裏側のリアルを知りたかったようだ。

しかし、これに対し中島みゆきは「おしえてあげないの」と繰り返すだけだった。
真相はともかく、この歌唱は、一部の人からは不評だったようだ。

「ボロクソに言われるんですよ。聞きづらいから、もうちょっとちゃんと声の出てるテイクのをねOKにして、レコードとしては出すべきじゃなかったのかって」

中島みゆきの曲は、必ずしも万人受けするとは限らない。
ボロクソに言われたもう1つの曲に『ファイト!』がある。
最初にこの曲が発表された1983年当時は、「この曲は自分がいない」と一部の人間に酷評されていた。
だが、『うらみ・ます』にしろ『ファイト!』にしろ、後に誰もが知る名曲となっている。

⇒『ファイト!』の記事はコチラ

『うらみ・ます』の「・」に魅了された有名人

タイトルの「うらみ・ます」「・」には一体どんな意味があるのだろうか。
これについて、今のところ中島みゆきは明らかにしていないが、この「・」に魅了された人たちがいる。

谷川俊太郎

「中島みゆき全歌集」(朝日文庫)の解説の中で、詩人の谷川俊太郎『うらみ・ます』「・」について言及している。

「一息に言うのではなく、いったん息をのみこんでいて、その微妙なためらいのようなものが、うらんでいる自分をみつめる、もうひとりの自分の存在を感じさせる」

鳥居みゆき

2020年「ダ・ヴィンチ」の寄稿文で、芸人の鳥居みゆきは、この「・」に強い思いを感じると語っている。
自身の単独ライブのタイトル「シャングリ・ラ」も、これにあやかったものだと明かしている。

鳥居は、2016年4月19日放送の「吉田照美 飛べ! サルバドール」の中でお気に入り中島みゆき曲ベスト7を発表した。
1位に選んだ曲は、『うらみ・ます』
「人を恨んで生きてますからね」と自身の生き方とリンクした曲だと答えている。

鳥居みゆき

中島みゆきに大きく影響を受けた芸人の1人。
本名の「鳥居美由貴」を中島みゆきにあやかって、芸名を、ひらがな表記の「鳥居みゆき」と改めている
中島みゆきの曲『幸福論』と同名のタイトルを舞台に用いたこともあった。

⇒鳥居みゆきの中島みゆき考察はコチラ

タイアップドラマ&バラエティ

ドラマ

「さよならお竜さん」

1980年に放送されたTBS系のテレビドラマ。

第5話の劇中で『うらみ・ます』が流れている。
選曲は、このドラマの脚本を手掛けた倉本聰によるもの。
シナリオのト書きには、以下のように書かれている。

「走るタクシーの車内。カーラジオから流れ出る、中島みゆきの「恨みます」」

バラエティ

「明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー」

1990年から毎年12月25日のクリスマスに生放送されている番組。
視聴者から、その年の不幸話を電話越しに披露してもらい、面白ければプレゼントが当たるといった内容だ。

プレゼントは、25枚のパネルに書かれた番号を指名し、裏返されたパネルに書かれたプレゼントが当たるという仕組み。
中には、「ハズレ」のパネルも仕込まれていて、それが出てくるとBGMに『うらみ・ます』が流れる

『うらみ・ます』はこんな曲

フラれた女の情念を加工せずそのままの形でぶつけたような曲。
死ぬまで恨むほど愛していたと捉えれば、究極のラブソングともいえる。

ふられたての女くらいおとしやすいものはないんだってね
ドアに爪で書いてゆくわやさしくされて唯うれしかったと
うらみますうらみます
あんたのこと死ぬまで
(『うらみ・ます』より)

『うらみ・ます』のみんなの感想

『うらみ・ます』をフルで聴く方法

単品購入

⇒『うらみ・ます』(レコチョク試聴あり)

収録アルバム

『生きていてもいいですか』

1980年リリースのオリジナルアルバム。

  • 伝説の最恐ソング『うらみ・ます』
  • 写真家の田村仁がモデルになった『蕎麦屋』
  • 中島みゆきが出会った娼婦がモデルになった『エレーン』

を含む全8曲。

【収録曲】
『うらみ・ます』『泣きたい夜に』『キツネ狩りの歌』『蕎麦屋』『船を出すのなら九月』『(無題)』『エレーン』『異国』

⇒レコチョクで購入(試聴あり)

⇒『生きていてもいいですか』の解説&みんなの感想

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