中島みゆき『あたいの夏休み』の裏話【試聴あり】|スティービー・ワンダー参加曲

蝶

1986年の中島みゆきのシングル『あたいの夏休み』

音楽の方向性を模索していたいわゆる「御乱心の時代」を象徴した曲だ。
スティービー・ワンダーがシンセサイザーで参加している。
ラジオで語られたこの曲にまつわるエピソードなど交えて、色々みていこう。

この記事は、

  • 『あたいの夏休み』はスティービー・ワンダーとのコラボ作
  • 『あたいの夏休み』の創作意図
  • 「冷めたスープ」は中島みゆきの好物

について書いてます!

夢おじ子
夢おじ子
中島みゆきの曲を全て聴いてきたファン歴30年以上の夢おじ子が解説!

中島みゆき『あたいの夏休み』


作詞・作曲 中島みゆき

編曲 後藤次利

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「御乱心の時代」の産物

『あたいの夏休み』は1986年6月5日にシングルでリリースされた。
ビシバシとしたサウンドは、音楽の方向性を模索していたいわゆる「御乱心の時代」に見られる特徴だ。
とりわけ、この曲はクセが強く、シングルとしても異色。

初めて披露したのが1986年の全国ツアー「五番目の季節」の中でだった。
あまりに早口の歌詞なので、客の反応はポカンと、頭が追いついていない様子が見て取れたと、「中島みゆきのオールナイトニッポン」の中で語っている。

御乱心の時代

1980年代、変化する日本のミュージックシーンの中で、中島みゆきは、自身の音楽をどのように打ち出していくか模索した。
「御乱心の時代」とは、後にこの時期を振り返って、本人が名付けたもの。
アルバムでいうと、1984年の『はじめまして』辺りから1988年の『中島みゆき』までの間を指す。
「御乱心の時代」は、アレンジャー&プロデューサーの瀬尾一三と出会うことで幕を下ろした。

スティービー・ワンダーとコラボ

1986年6月13日放送の「サウンド・ストリート」(NHK FM)の中で、中島みゆきは『あたいの夏休み』について触れている。

「スティービーさんが来た時に、もう1つノリのいい曲やってみようかって話になって」

中島みゆきはこの曲より前に、スティービー・ワンダーとのコラボで『つめたい別れ』というシングルを発表している。
そのレコーディングの時に、ついでにという形で『あたいの夏休み』も録ったのだ。

当初、『あたいの夏休み』はアルバムの1曲として収録される予定であったが、話し合いの結果、それに先駆けてシングルリリースすることになった。
この曲で、スティービーはシンセサイザーを担当している。

『つめたい別れ』

1985年の中島みゆきのシングル。
スティービー・ワンダーが飛び入りで参加し、ハーモニカを吹いている。

⇒『つめたい別れ』の記事はコチラ

流行の逆を狙った夏ソング

悲しいのはドレスが古くなること
悲しいのはカレーばかり続くこと
だけどもっと悲しいことは1人泣き
だからあたいきっと勝ってる夏休み
(『あたいの夏休み』より)

この当時、夏ソングといえば、チューブ『シーズン・イン・ザ・サン』杉山清貴&オメガトライブ『ふたりの夏物語 NEVER ENDING SUMMER』など爽やかさを売りにした曲が多かった。

1986年6月13日放送の「サウンド・ストリート」(NHK FM)の中で、中島みゆきはこう語る。

「ああいう夏じゃなくたっていいんじゃないかなって。鬱陶しい夏なら任せて。爽やかだけが夏じゃないぞってね(笑)」

こうして、流行の逆を行く異色の夏ソング『あたいの夏休み』が生まれた。
さて、この曲には少し屈折した女が登場する。

短パンをはいた付け焼刃レディたちが
腕を組んでチンピラにぶらさがって歩く
ここは別荘地 盛り場じゃないのよと
レースのカーテンの陰 囁く声
(『あたいの夏休み』より)

他人の幸せをカーテンの陰から覗き見て妬妬する。
かつての中島みゆきも、そんな側面があった。

「昔思ってたのはね、自分の幸福って何だろうなって考えた時にね、他人のことは知らん自分が嬉しいことが幸せって思ったんですよね。また別の時には、自分の幸せって何だろうと思ったら他人が不幸になることだと思ったのね」

今は、少しずつ他人の幸せを自分の幸福と思えるようになってきたが、時に難しい時もあるという。
そんな中島みゆきのリアルな心理が反映した曲なのだ。

コーラス初体験

サビ部分の高いオクターブのコーラスは中島みゆき自身が歌っている。
中島みゆきにとって初のコーラスで、もう1人のコーラスである杉本和世に、歌唱指導を受けている。
「声が大きすぎるから2歩下がって」と、立ち位置に至るまできめ細やかな指示だったと1986年6月2日放送の「中島みゆきのオールナイトニッポン」の中で明かしている。

ジャケット写真は本人ではない

シングルジャケットの写真は、中島みゆき本人ではなく写真家の田村仁がオーディションで選んだ一般女性。

「冷めたスープ」は中島みゆきの好物

お金貯めて3日泊まるのが夏休み
冷めたスープ放り投げるように飲まされて
2段ベッドでも あたいの夏休み
(『あたいの夏休み』より)

主人公の女のパッとしない夏休みを描いた歌詞。
冷めたスープをうんざりしながら飲んでいる姿が目に浮かぶが、この詞を書いた本人にとってこの冷めたスープは好物らしい

1994年出版のシナリオ「夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に」(角川書店)の中のスタッフによる日記にそれを裏付ける記述がある。
ケータリング担当のスタッフが書いた日記によると、中島みゆきに好物を尋ねたところ、以下を好物に挙げたという。

  • 冷めたピザ
  • 冷めてのびたラーメン
  • かっぱえびせん
  • 鈴カステラ

冷めたピザや冷めてのびたラーメンについては、「冷めたり、のびたりしたものが好き」と答えている。
「冷めたスープ」も、この部類に入ることは想像がつく。

『あたいの夏休み』のPV

『あたいの夏休み』にはPVが存在する。
といっても、中島みゆき本人は登場せず、歌詞の語呂合わせのような形で映像やイラストがあてがわれている
例えば、

Summer vacation あたいのために
Summer vacation 夏 翻れ
(『あたいの夏休み』より)

の歌詞には、以下のイラストが使われている。

  • Summer→さんま
  • vacation→おばけ
  • あたい→あ+鯛

プロデュースしたのは矢野顕子などのビデオを手掛けた伊島薫
1986年「GB」9月号によると、「中島みゆきは夏の女でもある、元気である!!」をテーマに絵コンテが制作されたという。

『あたいの夏休み』のみんなの感想

『あたいの夏休み』はこんな曲

毎年、他人の充実した夏休みを妬むだけの女。
だが、今年はいつもと違う。
人知れずニンマリしている顔が目に浮かぶ。

だけどあたいちょっとこの夏は違うのよね
夕べ買った土産物屋のコースター
安物だけど自分用じゃないもんね
ちょっとわけありで今年の夏休み
(『あたいの夏休み』より)

 

『あたいの夏休み』をフルで聴く方法

単品購入

⇒『あたいの夏休み』(レコチョク試聴あり)

収録アルバム

『Singles』

デビューした1975年から1986年までのシングルを収録したコレクションアルバム第1弾。

【収録曲】
『やまねこ』『シーサイド・コーポラス』『見返り美人』『どこにいても』『あたいの夏休み』『噂』『つめたい別れ』『ショウ・タイム』『孤独の肖像』『100人目の恋人』『ひとり』『海と宝石』『あの娘』『波の上』『横恋慕』『忘れな草をもう一度』『誘惑』『やさしい女』『悪女』『笑わせるじゃないか』『あした天気になれ』『杏村から』『ひとり上手』『悲しみに』『かなしみ笑い』『霧に走る』『りばいばる』『ピエロ』『おもいで河』『ほうせんか』『わかれうた』『ホームにて』『夜風の中から』『忘れられるものならば』『こんばんわ』『強い風はいつも』『時代』『傷ついた翼』『アザミ嬢のララバイ』『さよなら さよなら』

⇒レコチョクで購入(試聴あり)

⇒『Singles』の解説&みんなの感想

『36.5℃』

1986年リリースのオリジナルアルバム。

  • スティービー・ワンダーも加わった『あたいの夏休み』
  • 中森明菜に提供予定だった『見返り美人』
  • 「御乱心の時代」の名曲『やまねこ』

を含む全9曲

【収録曲】
『あたいの夏休み』『最悪』『F.O.』『毒をんな』『シーサイド・コーポラス』『やまねこ』『HALF』『見返り美人』『白鳥の歌が聴こえる』

⇒レコチョクで購入(試聴あり)

⇒『36.5℃』の解説&みんなの感想

『中島みゆき 2020ラスト・ツアー「結果オーライ」』

2022年にリリースされたライブアルバム。
2020年に行われた幻のラスト・ツアー「結果オーライ」の音源を収録。

ライブバージョンの『あたいの夏休み』を聴くことができる。

【収録曲】
『一期一会』『アザミ嬢のララバイ』『悪女』『浅い眠り』『糸』『ローリング』『流星』『最後の女神』『齢寿天任せ』『離郷の歌』『この世に二人だけ』『ナイトキャップ・スペシャル』『宙船(そらふね)』『あたいの夏休み』『麦の唄』『永遠の嘘をついてくれ』『慕情』『誕生』『人生の素人』『土用波』『はじめまして』

⇒レコチョクで購入(試聴あり)

⇒『中島みゆき 2020ラスト・ツアー「結果オーライ」』の解説&みんなの感想

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