1989年から始まった中島みゆきのライフワーク『夜会』は2020年時点、「VOL.20」を数え、かなりボリュームを帯びてきた。
そんな『夜会』の名場面たちが1枚のDVD(Blu-ray)にコンパクトに収められた。
それが『夜会工場VOL.2』だ。
『夜会工場』とは何か?
演劇のようなコンサートのような、だけどどちらでもないコトバの実験劇場。
それが『夜会』。
オールナイトニッポン月イチの中で、中島みゆきはこの『夜会工場』を、
「『夜会』のいいところどり」
と言っている。
東京でしか上演されない『夜会』を、なかなか東京に足を運ぶことができない地方の人たちに見てもらえるように、「こっちから持って回ろうか」と思ったのが、『夜会工場』の発端だったというが、報知スポーツの記事では、
「溶鉱炉に溶かしてさらに次のものを作るぞってこと。
自分の中の次世代への練り直しですかね」
とも答えている。
初めての『夜会工場』は2013年にに東京、名古屋、大阪、福岡の四都市で開かれた。
好評を博し、その後、2017年に第2弾『夜会工場VOL.2』が行われている。
『夜会工場VOL.2』については、その後、東京bunkamuraオーチャードホールで上演されたものが収録されたDVD(Blu-ray)が、2018年12月19日に発売された。
また、2019年に5月には全国ロードショー『夜会工場VOL.2劇場版』が上映された。
『夜会工場VOL.2』のみどころ
歴代の『夜会』の総集編
『夜会工場VOL.2』は、1989年の『夜会』から2017年の『夜会VOL.19 橋の下のアルカディア』まで、全ての『夜会』を横断する形で名場面が再現されている。
歌だけでなくセリフもそのままシーンごと切りとってきて、その上、衣装、小道具やセット、極力、当時のものに似せているために、これまでの『夜会』を欠かさず観てみた人たちにとっては懐かしさを感じるだろう。
『夜会VOL.11 ウィンター・ガーデン』『夜会VOL.12 ウィンター・ガーデン』
『夜会』の中でこれまで映像化されていなかった『夜会VOL.11 ウィンター・ガーデン』『夜会VOL.12 ウィンター・ガーデン』。
厳密にいうと、断片的に歌のシーンが2003年に発売されたDVD『夜会の軌跡 1989~2002』に収録されているのみだった。
今回の『夜会工場VOL.2』では、さらに未発表の朗読詩(セリフ)が披露されるなど、もうちょっとだけ作品の世界観を覗けるようになっている。
ちなみに、狂言師による朗読詩(セリフ)は普段は中島みゆきのバックコーラスである宮下文一が務めている。
共演者も集結
実は私、『夜会工場VOL.1』の福岡公演を観たことがあるのだが、VOL.1は、ほぼ中島みゆきのみの1人芝居という印象が強かった。
一方、『夜会工場VOL.2』は、共演者の出番が多い。
VOL.1でも共演した香坂千晶、植野葉子、『夜会VOL.18 橋の下のアルカディア』で共演した中村中や石田匠、そして普段はバックコーラスの宮下文一や杉本和世。
中島みゆきの役も一部、彼らが演じている。
例えば、『夜会VOL.6 シャングリラ』で中島みゆきが扮した「メイ」は、石田匠が演じ、『夜会1990』で中島みゆきが演じたОLの役は中村中に代わるなど、歌もセリフもそのまま引き継がれている。
中島みゆきによるMC
『夜会』は芝居の中の世界で完結するのだが、『夜会工場』は、シーンとシーンの合間に中島みゆきのMCが入り、観客に語りかけるようなポーズをとっている。
これを考えると、『夜会工場』は、どちらかというとコンサートの形態に近いのかもしれない。
MCでは、『夜会』の名シーンについての解説がされている。
ちょっとだけ裏舞台を知ることができる。
『産声』が聴ける
2014年のアルバム『問題集』に収録されている『産声』がステージの最後で歌われている。
『産声』は、中島みゆきが『夜会工場』のために書き下ろしたテーマ曲だ。
『夜会工場』のコンセプトを反映した歌を、その現場で聴くことにこの曲の醍醐味がある。
アルバムでしか聴いたことのない人にとっては、この曲に違った一面を感じるだろう。
時と状況でコトバの表情が変わる。
中島みゆきの目論見か、これもまた1つのコトバの実験劇場なのだ。

『夜会工場VOL.2』のみんなの感想
さっき歌詞ツイした「Maybe」、先日親が購入した「中島みゆきの夜会工場」のBDを見て初めて知ったの。
中村中さんがミュージカル風に歌ってたのが本当に素晴らしくて。で、さっき父のCD棚漁ったらこの曲が収録されてるアルバム発見して夜中に1人テンション上がってた
覚えて今度カラオケで歌うのだ🎤— レイロン (@rayron_add9) June 13, 2020
もう何年も前に、中島みゆきファンの母に連れて行ってもらい
はじめて中島みゆきさんの歌を生で聴いて。
それはもうすごい感動でした。
それから夜会や夜会工場と観に行って。あんなに細いのに、どこから出るの?と思うくらいのパワーのある歌声。
考えるより先に、心に沁みる歌詞。
好きです。— erii**転職を考え中 (@riria0n) May 20, 2020
中島みゆき「夜会工場」は異次元の世界だった https://t.co/KHElnCfFJk #jugem_blog
— 中高年の就活 (@right_street888) February 3, 2020
今日、中島みゆきの『夜会工場vol.2』を観に出掛けた。そこには、人として、揺るがない心。人として、忘れちゃいけない事が。殺伐とした気分が少し楽になった。自分も背筋を伸ばさなきゃって思った。#参院選 #安倍やめろ#中島みゆき
— ぽち灯かり (@nAIQBc8YUURKjby) July 19, 2019
この「夜会工場」とは、「夜会」のダイジェスト的舞台らしいのだが、ブツ切りになっている構成の意味が、見終わってから分かった。舞台中、「言葉が通じない」というテーマで、中島みゆきに数字を教える女性は、「ヌン、ソーン、サーム、シー」とタイ語を話していた。(役者は日本人)
— サーバル (@serval87) July 14, 2019
だいぶ前だけど映画館で見た、中島みゆきさんの『夜会工場vol.2』
独特の世界観とチャーミングな中島みゆきさんが素敵すぎて、今度は是非生で見たい。
そして完全に中村中さんの大ファンになってしまったので、絶対『らぶゆ』も見に行きたい…好きな方々達の共演…見たい…— 磯部莉菜子 (@isobe_rinako) May 31, 2019
中島みゆき 夜会工場Vol.2劇場版鑑賞。
夜会の演目をダイジェストにした内容。
中島みゆきの楽曲の幅広さと演技をしながら歌う様はコンサートとは違う魅力がある。#中島みゆき夜会工場Vol2劇場版— ノウスウ (@nousu_u) May 28, 2019
『夜会工場VOL.2』のDVD(Blu-ray)
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