1995年10月20日に発売された23作目のアルバムに収録されている
『人待ち歌』
をみていこう。
中島みゆき『人待ち歌』
作詞・作曲 中島みゆき
編曲 瀬尾一三
収録アルバム
『10 WINGS』
1995年10月20日に発売された23作目のオリジナルアルバム。
1989~1994年に上演された『夜会』のために書き下ろされた10曲を収録している。
『夜会』のテーマ曲である『二隻の舟』、後に鈴木保奈美出演のCM曲となり話題になった『Maybe』は、新たなアレンジでリメイクされた。
世良公則とのデュエット曲『ふたりは』や、後に岩井俊二監督の映画「スワロウテイル」の劇中歌として流れた『泣かないでアマテラス』など、『夜会』という枠を超えて愛された珠玉の名曲たちばかりだ。
『人待ち歌』は10曲目に収録されている。

『夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に』のために書き下ろされた曲
『人待ち歌』は『夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に』のために書き下ろされた曲である。
アルバム『10 WINGS』に収録されている『人待ち歌』は、『夜会』で披露された歌詞と一部異なる。
『夜会』の方の、
「今頃は すぐそこに 来てるかもしれないし
まだ遠い枝道で 迷うかもしれなくて」
という歌詞はアルバム曲には見られない。
「待つ」と「待たない」の違いについて中島みゆきの考察
『人待ち歌』の、
「待つ、待たない」
という歌詞であるが、『夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に』では4人の「待つ女」が演じられている。
とあるラジオ番組にゲスト出演した中島みゆきは、この回の『夜会』について言及しており、脚本を執筆する段階で頭を悩ませていたのが、「待つ」と「待たない」の違いについてだったと語っている。
この「待つ」と「待たない」の違いがなかなか見出せず、原稿の〆切りに追われているさなか、その答えは閃いた。
「待つ」と「待たない」の違いは「時間」である、と。
劇中で時間泥棒によって歌われたこの『人待ち歌』は、この回の『夜会』のテーマを凝縮したような1曲になっている。
歌詞解釈
『夜会VOL.5 花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に』は「雨月物語」の「浅茅が宿」が下敷きになっている。
シナリオ本を読んでみると、その注釈から、小道具から劇中で歌われている曲まで「浅茅が宿」が関連づけられていることが分かる。
『人待ち歌』もしかり。
例えば、夜会で歌われたバージョンの歌詞、
「まだ遠い枝道で 迷うかもしれなくて」
は、注釈によると、「浅茅が宿」の登場人物・勝四郎が、京へ戻ろうか近江にとどまろうか、帰郷を渋っている様を表している。
この夜会のために書き下ろされた曲とあって、「浅茅が宿」が色濃く反映していると考えられる。
「浅茅が宿」は、ろくに働かず極貧に陥ってしまった勝四郎が、妻・宮木を故郷に置いて、京へ出稼ぎに行ったものの、秋に帰るという約束を守らずに別の場所で安穏と過ごすというストーリー。
「来る、来ない、来る、来ない、」
「待つ、待たない、待つ、待たない、」
は、夫の帰りを待ちわびる宮木の心の内だということは容易に察しがつく。
その後、宮木は戦乱に巻き込まれながらも、そこを動かず家を懸命に守ろうとする。
「荒野を越えて 銀河を越えて
戦さを越えて 必ず逢おう」
は、自分の帰りを待っているだろう妻を裏切っていると自覚し、7年ぶりに故郷を目指して歩き出す勝四郎と重なる。
「銀河」ですら「銀河秋を告れども君は帰り給はず」という「浅茅が宿」の一節をなぞっているように思える。
『人待ち歌』のみんなの感想
#中島みゆき 「人待ち歌」
――荒野を越えて 銀河を超えて 戦さを超えて 必ず逢おう――
このスケール感がたまりません。「時は流れて」の歌詞は、――逢えない――で終わるのですが、この歌の最後は――逢う――で締めくくられます。— 信乃@拷問蔵 (@shino_i) July 21, 2020
「人待ち歌」
「来る,来ない」は人任せ。
「待つ,待たない」は自分次第。
「逢う,逢えない」は運頼み。確かなものはひとつとないが
「逢おう」という折れない想いが
距離(荒野)を
時間(銀河)を
災厄(戦さ)をも越える。私たちは必ず逢う。#中島みゆき
— YUPY (@MYUPYZ) March 11, 2020
中島みゆきの
人待ち歌もう25年前の歌なのに何回聞いても色あせない
そして圧巻のフェードアウト#人待ち歌#中島みゆき#10wings— シュワ@投資📈&節約💰 (@SRapidSolio) March 26, 2019
中島みゆきは荒野にいる
『荒野より』荒野より君に告ぐ
『人待ち歌』荒野を越えて銀河を越えて
『ローリング』荒野にいる僕は僕は荒野にいる
『忘れな草をもう一度』消えた荒野は長い冬です— 松江あきら@個人の偏見です (@MYSTIKNIGHTS) October 12, 2018
人待ち歌 (中島みゆき) (4:00) #sm11205855 http://t.co/oLAQQqG8 こないだ絵に描いた曲。人待ち歌。本当は”「待つ」のではなく「会いにゆけ」”という歌。会うのかんじが「逢う」だったかもしれないって後で気付いた。変調は1:30くらいから。
— 白鴎@164 (@siroikamome) July 19, 2012
『人待ち歌』はこんな時に歌おう
人を待っている間『人待ち歌』を歌いながら、待つことについて思索にふけろう。
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