アジアで旋風を起こした『ルージュ』|中島みゆきとちあきなおみの出会い

1979年11月21日に発売された6作目のオリジナルアルバムに収録された
『ルージュ』
をみていこう。

ちあきなおみに提供されたこの曲がアジア全域でヒットした流れを追っていこうと思う。

中島みゆき『ルージュ』

『ルージュ』(レコチョク試聴あり)

作詞・作曲 中島みゆき
編曲 戸塚修

ちあきなおみのために曲を書いた経緯

きっかけとなった『あばよ』

発端は、研ナオコが1976年に出したシングル『あばよ』だった。

中島みゆきが初めて他アーティストに提供した曲だ。

『あばよ』を聴いていたちあきなおみが、この曲をすごく気に入り、
「私も、中島みゆきに書いてほしい」
そう思ったのである。

あばよ
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新聞で両想いを知るちあきなおみ

そんな時、ちあきなおみは、読んでいた新聞の記事に衝撃を受けた。
それは、
「中島みゆきはちあきなおみに曲を書きたがっている」
という旨の記事だった。

ちあきなおみ、中島みゆきと会う

ちあきなおみは北海道へ足を運んだ時に、その時はまだ札幌に住んでいた中島みゆきの家へ電話をかけた。

それをきっかけに親しくなり、一緒に食事をすることになる。

ちあきなおみは、中島みゆきにとって憧れだった。

だが、会ってみると、「気取らない人だな」と印象を語る。

『ルージュ』の誕生

そして、中島みゆき作詞・作曲の『ルージュ』ちあきなおみの歌が吹き込まれ、1977年4月10日、日本コロムビアよりリリースされる。

またこの年の7月25日にちあきなおみが出した同名のアルバム『ルージュ』にもこの曲は収録されている。

A面には、『ルージュ』の他に『雨が空を捨てる日は』『流浪の詩』『あばよ』の中島みゆきが手掛けた既存の楽曲のカバーに加え、ちあきなおみへ提供した『帰っておいで』『うかれ屋』を加えたオール中島みゆき仕様となっている。

その後、中島みゆきは、ちあきなおみが司会の歌&トーク番組『いらっしゃい』(テレビ朝日)にゲストとして出演していて、対談している。

歌詞の内容

男の影を追って泣いてるばかりの女性が主人公。

弱かった女性が次第に「ルージュ」を引きながら「つくり笑い」ができるくらい器用になっていく。

そんなしたたかさの中にも哀しみの余韻を残している曲だ。

収録アルバム

中島みゆきは『ルージュ』をセルフカバーしている。

『おかえりなさい』

『おかえりなさい』(レコチョク試聴あり)

ちあきなおみのリリースから約2年半後の1979年11月21日に発売された『おかえりなさい』に収録されている。

他アーティストに提供した楽曲だけを集めてカバーした企画アルバムである。

研ナオコに提供した『あばよ』桜田淳子に提供した『しあわせ芝居』など名曲ぞろいのラインナップにこの『ルージュ』も加わっている。

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『大吟醸』

『大吟醸』(レコチョク試聴あり)

1996年3月21日に発売されたベストアルバム『大吟醸』。

『ルージュ』の他に、『わかれうた』『悪女』『時代』『浅い眠り』『空と君のあいだに』など新旧バランスよくヒット曲を揃えた一枚。

大吟醸
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アジアで旋風を起こす『ルージュ』

『ルージュ』ちあきなおみにとって、そこまでヒットした曲ではなかった。

この曲が再び注目を浴びるようになったのは1992年のこと。

アジアの国々でこの曲が大ヒットしたのだ。

火付け役はフェイ・ウォン

1989年に歌手デビューしたフェイ・ウォンがブレイクするきっかけになったのが、実はこの『ルージュ』なのだ。

1992年、タイトルを『容易受傷的女人(傷つきやすい女)』と変えこの曲をカバーしたところ、これが大ヒット。

広東語で歌われたこの曲は、香港やシンガポールなど広東語圏で多く聴かれた。

その後、1994年に出されたアルバム『恋のパズル』には北京語版も収録され、これも大ヒット。

さらに台湾、東南アジアへとフェイ・ウォン版『ルージュ』が広まっていったのだ。

1992年、フェイ・ウォンは、この曲で香港最高峰のプラチナ・レコード賞を受賞した。

そして、香港で「第二のテレサ・テン」と呼ばれ、その人気を不動にした。

広東語版『ルージュ』日本語訳

フェイ・ウォンが歌った広東語版の歌詞は、オリジナルとはだいぶかけ離れている。

自分を「とても傷つきやすい女」とみていて、鏡の前の自分に笑ってみせるようなしたたかさは見当たらない。

「もてあそばないで」と未だに未練をひきずる女として描かれている。

フェイ・ウォン『容易受傷的女人(傷つきやすい女)』(レコチョク試聴あり)

アジアで次々とカバーされる『ルージュ』

フェイ・ウォンのカバーを皮切りに、『ルージュ』はアジアの多くのアーティストによってカバーされていく。

鄺美雲潘盈劉秋儀王靖雯四個朋友梁雁翎邰正宵方怡萍などのアーティストが十数種類の中国語で歌い上げた。

さらには、シンガポールではジェシカ・ジェイという歌手が『Broken Hearted Woman』とタイトルを変え歌っている。

ジェシカ・ジェイ『Broken Hearted Woman』(レコチョク試聴あり)

ジェシカ版『ルージュ』はリズミカルなダンスナンバーで、原曲とはだいぶ雰囲気が異なる。

そして、1994年にはベトナムでニュ・クィンという歌手が『冬の恋』というタイトルでカバーし、以降、冬の定番曲となっている。

日本アーティストによるカバー

研ナオコ

研ナオコ『ルージュ』(レコチョク試聴あり)

2015年に発売された『プラチナムベスト 研ナオコ シングル&カバー コレクション』に収録。

『ルージュ』の他に中島みゆきが提供した研ナオコの代表曲『かもめはかもめ』『あばよ』や、中島みゆきの持ち歌『時代』『アザミ嬢のララバイ』『杏村から』など多数のカバー曲が収録されている。

研ナオコの『ルージュ』は、ピアノのイントロから入り愁いを帯びた声で歌われている。

夜の酒場で女が1人飲みながら呟いている、そんな感じだ。

『ルージュ』に胸を打つ芸能人

鳥居みゆき

2021年「女性セブン」(4月15日号)のインタビューで芸人の鳥居みゆきは、この曲の、

「つくり笑いがうまくなりました 
 ルージュひくたびにわかります」

という歌詞に言及している。

大人になるまでこの歌詞の意味がよく分からなかったという鳥居だが、30歳の頃、つくり笑いしていて疲弊していた時期に、この曲を聴き、自分がこの歌詞の内容にドンピシャにあてはまっていることに気づかされる。

「口紅をひくときって鏡に向かって口角上げるじゃないですか。
 その自分の口を見たときに「あ!」って」

『ルージュ』のみんなの感想

『ルージュ』はこんな人に歌ってあげよう

『ルージュ』は鏡の中の世渡り上手になった自分に、今いちど問い直すつもりで歌ってあげよう。

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中島みゆきが好きで、人よりちょっと詳しいだけが取り柄の人間やってます。