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「中島みゆきのオールナイトニッポン」最終回の舞台裏|2017年放送「熱響の時~オールナイトニッポン50年の系譜~」(BSフジ)より

レッドカーペット

1979年から1987年まで放送されたラジオ番組「中島みゆきのオールナイトニッポン」

最終回には、1000人以上のファンが放送局の前に集まり、オールナイトの歴史に華を飾った。
この現場にいたのが、ニッポン放送アナウンサーの上柳昌彦
2017年11月12日放送の「熱響の時~オールナイトニッポン50年の系譜~」(BSフジ)の中で、上柳が見た最終回の舞台裏が語られている。

「中島みゆきのオールナイトニッポン」の歴史を振り返りながらみていこう。

この記事は、

  • 「中島みゆきのオールナイトニッポン」の誕生
  • 中島みゆきにとってのおしゃべりとは?
  • あくしゅ券の使い方
  • 「中島みゆきのオールナイトニッポン」最終回の舞台裏

について書いてます!

夢おじ子
夢おじ子
中島みゆきの曲を全て聴いてきたファン歴30年以上の夢おじ子が解説!

「中島みゆきのオールナイトニッポン」の誕生

1970年代の終わり、自民党四十日抗争など政治の世界は混迷を極めていた。
すっかり政治に興味を失った若者たち。
そんな中でも、ラジオの中では個性豊かなパーソナリティが若者たちに語りかけていた。

1979年4月2日にスタートしたある歌手のトークに、放送を聴いた誰もが度肝を抜かれた。

「オ~ルナイトニッポ~ン!」

ハイテンションでタイトルコールするその声は、中島みゆき。
当時、『わかれうた』のイメージが世間に浸透していたが、その軽快な語り口はそれを覆した。

⇒『わかれうた』の記事はコチラ

リスナーの1人、小説家・朱川湊人

直木賞作家の朱川湊人は、「中島みゆきのオールナイトニッポン」のリスナーの1人だ。

「ウチの兄がですね、色んなラジオから集めた音源の入ったテープを持ってまして、その中に、『アザミ嬢のララバイ』『あぶな坂』という曲が入ってたんです」

当時、『わかれうた』がヒットしていて、朱川にとって、中島みゆきは暗い情念の塊のようなアーティストという認識だった。
そんな朱川が、初めて「中島みゆきのオールナイトニッポン」を聴いたのが中学の時。

「「え、これ本当に中島みゆきさんなの?」って思いながら聴いてると、ときどき、「あ~みゆきさんだ」と思うこともあり、まあ、すぐ慣れましたけど、最初はビックリというか泡食ったレベルで」

中島みゆきにとってのおしゃべりとは?

おしゃべりが得意ではなかった中島みゆき

「中島みゆきのオールナイトニッポン」の放送作家を務めた寺崎要は、中島みゆきの第一印象を以下のように語っている。

「いろんなディレクターから噂を聞いて、「手ごわいぞ」とか「すごい人やで」とか。で、来なはった時、たしかに手ごわくてどうしようかなあと思って。で、東京で打ち合わせしたんですけど、おしゃべりがね、そんなに得意ではなかったんですよ、他の人と比べて。そんなに得意ではないというのも本人も知っていたので」

そこで思いついた策が、中島みゆきの個性を打ち出すあのしゃべりだったのだ。

おしゃべりと歌、どっちが本物か?

中島みゆきの個性を活かした番組は、すぐ若者中心に火が付いた。
だが、歌とおしゃべりのギャップに戸惑う人も一部にはあり、番組宛てに以下のような手紙も寄せられた。

中島みゆきさん。
どうしてそんなに、あなたらしくもない、バカ騒ぎ番組をやっているのですか。
本当のあなたの姿は、その番組からは少しも感じられません。
あの、心に沁みる歌を歌うあなたが、何らかの圧力に流されて作り笑いをしているとしか思えない。
1日も早く、本来のあなたに戻られることを願ってやみません。

この手紙について、中島みゆきはこう返答している。

「もしかしたら、いつかオールナイトニッポンで中島みゆきを知った誰かからは、「深刻ぶって暗い歌を歌うあなたなんか作りものだ」と書いたハガキが舞い込む日も、あるのかもしれないから。
あなたというところの「嘘」が、誰かにとっての「本当」かもしれなく、誰かのいうところの「嘘」が、私にとっての「本当」かもしれないから」

中島みゆきは、真正面からリスナーと向かった。
では、パーソナリティの時と歌手の時、どちらが中島みゆきにとっての素なのだろうか?
リスナーだった芥川賞作家の朱川湊人はこう語る。

「どっちも素で、どっちもあっての中島さんだと思いますね。どっち片方じゃ、中島さんじゃないのかなあって」

あくしゅ券の使い方

「中島みゆきのオールナイトニッポン」は、多くのリスナーに支持され、すぐにヒットコーナーが生まれていった。
自分の家族の面白いところを披露する「家族の肖像」も、その1つ。

芥川賞作家の朱川湊人は、このコーナーへ自分の父親のことを書いて、ハガキを送ったことがあった。
「ありがとう」と言えば「蟻が10ならミミズはハタチ」というギャグを返す陽気な父親をユニークに描いたつもりだったが、残念ながら不採用。

朱川が、中島みゆきに手紙を読んでもらいたかった理由の1つに「あくしゅ券」という存在がある。
中島みゆきが特に面白いと思った投稿者に贈られる名誉あるプレミアアイテムだ。
券には、中島みゆきと握手する手順が記載されている。

①みゆきの握手カードを持っているというサインを送る。
みゆきと出会ったら、モンチッチのように右手の親指をしゃぶってサインを送る。
みゆきは眼が悪いから、できるだけオーバーにすること。

②みゆきに握手カードを見せる。
みゆきがサインに気がついたら、カードを見せよう。
そのとき「わかれうた」を口笛でふくこと。
(みゆきに無視されたら素直にわかれること。口笛のふけない人は、それだけで握手する資格がないのだ)

③①と②をクリアーしたキミは、握手する権利ができた。
さっそく近くの水道で手を洗って3秒間だけ握手しよう。

【大当たり】もし、みゆき通りで1.2.をクリアーしたキミは大幸運。右手で5秒、左手で5秒の握手ができるのだ。

このあくしゅ券を見せると握手してくれるというリスナー思いの中島みゆきらしい企画。

最終回の最後の言葉

「中島みゆきのオールナイトニッポン」は、1970年代から1980年代まで、8年に渡って続いた。
長寿番組にも関わらず、欠席はわずか2回。

人気絶頂の中、番組にピリオドを打ったのは、中島みゆき自身だった。
そこには、中島みゆきの音楽に真摯に向き合おうとする姿勢があった。
1987年3月31日の最終回、中島みゆきは、以下のように語っている。

「やっぱりあたし要領よくないんだなあと思うんだけど、いくつものことを一緒にテキパキやりこなせないんだわ。で、それでジーッと考えちゃって、この1日のたった24時間というこの限られた時間をね、どうやったら配分できるだろうかなあって考えたんだよね。そしたら、やっぱり時間をね、惜しむことなく音楽に使いたいなあって、そう願ったんだよね」

そして、番組の最後をこのように締めくくった。

「じゃあ、ホントにいっぱいありがとう。中島みゆきは、今夜でディスクジョッキーを中退します。じゃ、今から数えて10秒後にあたしは音楽に走ります。10、9、8、7、6、5、4、3、2、1――こんばんわ、中島みゆきです」

「さようなら」ではなく、「こんばんわ」という出会いの挨拶で、番組は終了した。
「中島みゆきのオールナイトニッポン」は一体、何だったのだろう?
リスナーだった芥川賞作家の朱川湊人は、こう語る。

「今みたいにブログから発信できる時代ではなかったので、中島みゆきさんはこんなことを考えて生きているんだというのを聴けるのがラジオなんですよ」

最終回の舞台裏

「中島みゆきのオールナイトニッポン」の最終回を終えた深夜3時のニッポン放送前。
そこには、1000人以上のファンたちが、それぞれの手にラジオを持ち、中島みゆきが出てくるのを待ち構えていた。
2017年11月12日放送「熱響の時~オールナイトニッポン50年の系譜~」(BSフジ)のスタジオでは、漫画家の久保ミツロウ能町みね子上柳昌彦が、最終回を話題にしている。

ミツロウ「すごい今感動したっていうか、あんな終わり方されたら、ニッポン放送に集まった1000人がどんな気持ちにされたかと思うと、もう、押しつぶされそうですよ」
みね子「あんな終わり方とは知りませんでした。ぞわっとしますよね」

ニッポン放送アナウンサーの上柳は、最終回の放送があった日のニッポン放送を目の当たりにしている。
その舞台裏を語った。

上柳「僕はちょうどその時は、0時から1時の番組をやっていたので、駆り出されるんですよ、人員整備に」

玄関を出ると、夥しい人の数。
改めて、中島みゆきからファンの人たちへ、挨拶の場を設けようと赤じゅうたんを敷いたのだ。

上柳「赤いじゅうたんをニッポン放送の玄関から車のとこまで敷いて、マイクを立てて、挨拶をしていただいて、で車に乗って。で、リスナーが偉かったのが、みんな手を振って送って、あまり追っかけるって混乱がなかったんですよ。これ素敵でしょ?」

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